2024年9月1日日曜日

カルムィク共和国への旅(その3) 

 

 カルムィク共和国は仏教地域で、2004年にはダライ・ラマ14世が訪問しています。この共和国で最大の仏教寺院がシャキュスン・シュメ Сякюсн-Сюмеです。

 

 敷地は柵に囲まれています。さっそく正門から中へ。


 1階は寺、地下1階は博物館スペースになっています。靴を脱いで見学。


 博物館スペースのみ撮影可でした。

 カルムィク共和国内の聖地の地図。かなりたくさんあります。何がどうなった結果、こうなってるのか。


 涅槃像。


 193040年代にカルムィク共和国で抑圧を受けた仏教僧侶のリスト。


 カルムィク人への仏教の布教地図。

 パネル下の説明によると、「オイラト人の仏教普及の初期段階は12世紀末~13世紀初期で、チンギス・ハンの襲来の結果によるものだった。第二(中期)段階は13世紀中盤に始まり、カギュ派僧侶の布教活動に関わっていた。後期は15世紀前半、ゲルク派の教えの浸透により始まった(以下略)」とのこと(オイラト人とはモンゴル系民族でカルムィク人もこれに該当。カギュ派とゲルク派はチベット仏教4大宗派の一つ)。


 

 ダライ・ラマ14世のコーナーもありました。

 ここに居合わせたロシア人の高齢女性に声をかけられました。日本人だと知ると、「日本人は原爆を投下したはアメリカだということを知っているの?だって、いま隣の国では、事実と真逆のことが言われているから……どうして日本は原爆を落とした国と友好国になれるの?」と。話してみると、どうやら別の地方の村から観光に来た方のようでした。内容に注意しつつ、「もちろん、知っていますよ」と答えましたが、かつての敵国と友好国になるのは事実を知らされず騙されているからだというロジックが、この人にとっては最も理解できるものなのでしょう。


 隣の国で起きていることも、彼らが騙されていると認識しているのかと思うと、この高齢女性が悪気のない普通の、きっと親切な人だと見受けられる分、暗澹たる気持ちになりました。これがこの国の国民の大多数の意見でないことを願うのですが…。


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