ラベル 細密画 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 細密画 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2021年4月8日木曜日

モスクワからフェドスキノ訪問(細密画をめぐる旅シリーズ4)①見学直前まで

 細密画の町シリーズも残り1か所となりました。ラストワンはフェドスキノФедоскино/ Fedoskinoです!




 これまで訪問したパレフПалех、ムスチョラМстёра、ホルイХолуйよりも、ここがモスクワからは一番近くアクセスしやすい。フェドスキノには現役の工房があり、職人による製作を見学できます。作業場を公開している工房はここだけなので、楽しみです。
 
 フェドスキノの細密画の由来は1795年、モスクワの商人のコロボフがフェドスキノの隣村のダニルコヴォに塗り物製品の工場を操業したことです。そこではパルプを原料にしてニスで塗装したさまざまな製品、たばこ入れや帽子のつばなどが作られていました。その後、経営がその娘婿のルクチンに引き継がれると、彼の下で工房は大きく育ちます。芸術的なセンスを持つ彼は画家を育成する学校を開きました。ほかの工房と差をつけるため、描くストーリーの種類を増やし、螺鈿や金属の透かし細工など新しい種類の装飾を箱に施し、自ら版画作品を購入してそれを模倣して描いたりするなど、作品を精力的に発展させました。19世紀から20世紀初頭には国外でも知られるようになります。1904年にルクチンの子孫で最後の工房経営者が亡くなると、工房は閉鎖されました。しかし1910年に職人たちが集まり、工房は再び操業を開始しました(とのこと)。
 

 一番簡単なアクセス方法は、地下鉄のグレー線の北の終点、アルトゥフィエヴォАлтуфьево Altuf'evo駅から271番バス。直通で現地まで行けます。





 バスの時刻表はこちらです。おおよそ1時間に1本です。




 ほかにも近郊列車ロブニャЛобня Lobnya駅とフェドスキノ間にバスがあります。ダニルコヴォДанилково Danilkovo行きに乗って途中下車します。



 


 さて、それから工房見学を手配します。公式HPはこちら。https://fabrica-fedoskino.ru/
左から、5人以下のグループ(1団体当たり)、5人以上のグループ、絵付け体験のマスタークラス(箱1個当たり)の料金です。




 電話すると、日曜日の12:00に団体ツアーがあるので、そこに加わるよう案内が。一人で行くので、1500R支払うことを覚悟していましたが、400Rになりました。
 

 さて、当日。地下鉄アルトゥフィエヴォの5番出口から地上に出ます。




 実際に5番出口から地上に出ると、地図上の位置ではなくもっと近く、すぐ目の前に271番バスがすでに停車していて、もうすぐ出発しそうな勢い。急いで乗りこみました。そんなわけで、乗車場所の写真がなくてすみません。100Rで、運転手が車内の一人一人のところを巡回して回収しました。
 

 郊外に向かって渋滞もなく、すいすいと進みます。30分足らずであっという間に到着。




 ここからは道なりにまっすぐ進みます。



 

 バス停の向かいは奇蹟者聖ニコライ聖堂Церковь Николая Чудотворцаがあります。立ち寄ってみたところ、赤ん坊の洗礼式の進行中だったので、そそくさと退散しました。





 ぬかるんだ非舗装路をひたすら道なりに直進します。





 ほどなく、右手にこんな建物が見えてきました。電光掲示板によると、ここが工房です。年季が入っています。





 左手はこの建物。こちらは美術工芸博物館Музей Народных Художественных Промысловです。



 
工房の中に入ると、入り口に受付の人がいますが、エクスカーションに来たというと、入って右手に進むように案内されます。



 

 右手の奥に売店があり、そこのレジで見学料を支払います。12:00スタートまでこの売店で商品を見ながら待ちます。





 時間になると、ガイド氏がやってきて見学開始です!(続く)
 

2020年11月12日木曜日

ユジャからホルイへバスで移動:ホルイへの旅5 


 いよいよホルイХолуй/Kholuiへ。数人が乗り込んで出発です。チケットは30R。30分ほどで到着します。

 ここで、バスに乗り込むときに居合わせたおっちゃんから「どこから来たのか?」と話しかけられました。細密画をめぐる旅をしていると偉そうに答えたところ、自分はホルイの細密画学校で教鞭を執っているので、よかったら見学しないかと誘ってくれました。こんなことがあるんですねえ。もちろんこうや君は食いつきました。

 ちょうど昼食休憩だったので学生さんたちは少なかったのですが、先生が居合わせた学生さんたちと一緒に各学年で練習する作品や卒業制作を見せてくれました。1年生はさまざまな種類の線を引く練習。直線に始まり、植物の蔓の流れるようなラインやオーナメントの複雑な模様を練習します。植物のラインが「生きている」ように描くのだそうです。こんな世界というか、学校があったのですね。

 こちらは下書き。


 人物の服を描く練習。


 こちらは鎧の見本。

 こちらは金箔とニス塗後の下描き。


 ウラジーミル州にあるポクロフ・ナ・ネルリ教会。



 こちらが先生の作品。下絵は全部同じですが、色が違うだけですいぶん印象が変わります。先生、さすがです。どれも全部美しい。先生、やはりただ者ではなかった。

 先生は博物館まで送ってくれ、ここで別れました。突然の客を招待してくれたホスピタリティに感謝!

 博物館の入館料は、外国人200R。ホルイの細密画やイコンが中心で、戦後75周年を記念した特別展をやっていました。学校で2020年の卒業制作の課題となった本物の作品をここで見ることができました。展示の点数も結構多かったですね。

 最近改装された命を創り出す三位一体教会Храм во имя Троицы Живоначальнойと聖母献堂教会Церковь Введения во храм Пресвятой Богородицы(訳が難しい)。この一帯は春になると雪解けの水で道路は水没するそうです。

 教会の建物裏。門に趣があります。


 またもやものすごく駆け足ですが、バス停に戻ります。ターミナルはなく、商店の前にバスがやってきます。14:30発。時刻表の掲示はここでは見つけられませんでした。ユジャのバスターミナルの掲示板には14:35と書いてありましたが、チケット売り場の係には14:30と言われたので、実際に乗るときは確認をした方がいいでしょう。


 ユジャで乗り換えて、15:10発のイヴァノヴォ行きバスに乗り、シュヤШуя/Shuiaで下車します(ラストに続。シュヤはかのシュイスキー家の所領の中心だったところですが・・・その辺りは時間がなくて見ることが出来ませんでした。(ラストに続く)

2020年11月8日日曜日

イヴァノヴォからユジャへバスで移動:ユジャで一休み。ホルイへの旅4


 今日はホルイХолуй/Kholuiを目指します。は、まずはユジャЮжа/Iuzhaに。


 6:30にホテルを出て、バスターミナルへ。ユジャ行きのバスが7:00にあるので、これに乗車します。250R。今度はマルシルートカ。一応小ぎれい。

 このバスはイヴァノヴォ→シュヤ→パレフ→ユジャというルート。パレフПалех/Palekhのバスターミナルとも久しぶりの再会。
 ユジャに到着したのは8:50です。正面がターミナル。町へは右側の壁に開いている通路を抜けていきます。

 待合室とチケット売り場。

 ユジャ発着のバスの時刻表です。こちらは長距離バス。

近郊バスはこちら。


入り口にも近郊バスの時刻表があります。

 バスターミナルでホルイ行きのチケットを買おうとすると、直接運転手から買うようにとのこと。それからこの日のホルイ行きのバスは12:30だけだと言われました。時刻表には載っていないので、要注意です。

 ユジャのバスターミナルにはこんな絵が。
「ユジャ地区は火の鳥の故郷」  ・・・そうだったのか。

 向かい側にはこんな絵。

 バスの時間までユジャの町歩き。道すがらの木造教会。中にはかなりたくさんの信者の方々が集まって礼拝の最中だったので入れず。

 そのすぐ背後にセラフィム教会Серафимовская церквь。


 ユジャ人形博物館Музей куколが開いていたので入ります。100R也。
 ここでは工芸作家の作品を展示するほか、子供たちを対象とした手芸教室を開講しています。ロシア各地の人形やおもちゃ、塗り物作品が集められています。



 お守りоберег。最近、ロシアの北方地域に行くとよく見かける気がします。手が10本ある人形は母親が結婚する娘に贈るもの。婚家ではたくさんの家事をこなさなければいけないので、うまくできるように願いを込めたものだそうです。手の繋がった2体1組の人形は結婚した二人がいつまでも一緒に幸せに暮らすことを願ったもの。2体の間にほしい子供の数だけ小さな人形をつけたそうです。これってある意味、親からのプレッシャー?
 ほかにも、ズボン姿の人形単体もあり、これは旅の無事を願うもの。人形が背負っている袋に故郷の土を入れて、必ずこの地に戻るよう願いを込めたとのこと。

 1950年代のロシアの家庭内。帝政時代、縫物や手芸は主に農奴の仕事でしたが、第二次世界大戦後は家庭内でするものになり、ベッドカバーなどに刺繍や手編みのレースがつけられるようになったそうです。繕い物や手芸のできる女性は仕事を請け負って家計の足しにできるので、高級品だったシンガーのミシンを持っている人のところには依頼が舞い込んできたんだとか。

 その奥に農家の内装。ペチカを中心に、部屋が二分されています。ゆりかごが下がっているスペースは女性たちのための場所。ここで糸紡ぎや機織りなど女性の仕事をしました。ゆりかごは、赤ちゃんに何かあっても誰かがすぐに駆け寄れるように、部屋中央の低めの位置に吊るしたそうです。

 ペチカの反対側の部屋。こちらには聖像画が置かれ、その一番近くには家の主人、その隣には客人が座りました。婚前の女性は同席せず、結婚することが決まったときだけ、食卓でのもてなし方法を習得するためにここに加わることができたとのこと。

 壁やドアの模様も凝っています。


 「ユジャ地区のクランベリーのなる沼地の地図」
 湿地を好むクランベリーがこの地の名産品なのです。知らなかった。

 バスターミナルに戻ります。ついに、ホルイ攻略へ。

2020年2月28日金曜日

細密画の町シリーズ② ムスチョラへの旅(モスクワから列車とバスで)

 昨年は細密画の町パレフПалех/Palekh へ行きましたが、その第二弾です。細密画シリーズ第二弾と言うことで。
 ウラジーミル州にはパレフのほか、ムスチョラМстёра/MsteraやホルイХолуй/Kholuyという町でも細密画が描かれています。パレフより規模は小さいですが、今回はムスチョラの博物館を目指します。


 しかし、パレフも遠かったですが、ムスチョラも行きにくかった。ムスチョラへはヴャズニキВязники/Vyaznikiという町からしかバスが出ていません。モスクワからだと、列車、バスともニジニ・ノヴゴロドへ行く途中ヴャズニキで停車するので、ここでムスチョラ行きのバスに乗り換えることになります。または、ウラジーミル-ヴャズニキもバスがあるので、乗り換え回数が増えますがそういうルートも利用できます。


 ヴャズニキは鉄道駅とバスターミナルがだいぶ離れています。ローカスバスで45分ほど。


 それを鑑みると、行きはバスにした方が同一ターミナル内での乗り換えなので時間のロスが少なくて済みそうです。その代わり、朝は早いですが。


 地下鉄ショルコフスカヤ駅にある中央バスターミナルから、7:00発のバスに乗車してヴャズニキを目指します。パスポートの提示が必要です。チケットは700R+保険が40Rでした。20人乗りのミニバンで出発です。途中で1度トイレ休憩(15R)がありました。


 時刻表ではヴャズニキには11:40着でしたが、実際には11:20くらいには到着しました。下車したところにはバス停留所しかなく、時刻表掲示すらなかったので、途方にくれていたのですが、道行くご老体がターミナルの場所を教えてくれました。

 進行方向に少し歩くと、右手に白い建物が出てきます。これがバスターミナルです。


 ここから出発するバスの時刻表はこちらです。11:45ムスチョラ行き(スタンキСтанки経由)に乗車。切符売り場でチケットを確保します。79R、パスポートは不要でした。カード払いの端末は見当たらず!


スタンキ経由だとこんなルート。


 ムスチョラには同名の鉄道駅もあるのですが、そこ経由のバス路線もあります。このルートの方が所要時間は長くなります。


 どちらのルートも、ムスチョラの中心にあるレーニン広場に到着します。広場は児童公園ほどの広さしかありません。バス停は、バスの絵のついた標識はありますが、時刻表はありませんでした。僕は博物館で帰りのバスの時間を教えてもらったのですが、皆さんどこで調べているんだろう。

 ヴャズニキ―ムスチョラ(スタンキ経由)のバス。往復とも同じ車・ドライバーでした。


 ムスチョラの町はパレフよりさらに小さく、しかも観光シーズンも始まっていなかったせいか、ご飯を食べられるところもありませんでした。唯一と思われるカフェにあったのはピロシキとお茶のみ。ですが、唯一開いていた博物館の常設展は見応えがありました。細密画のほか、刺繍や金属細工などの地元の工芸品が紹介されています。展示は撮影できなかったので、せめてOKをもらえた館内のドアの写真をば。


 ムスチョラの特徴は風景画や自然描写が美しいことだそうです。これは某所で撮影させてもらったムスチョラの箱。


 パルプ材(*)で箱本体を形成し、下地の黒い塗料を塗った上に絵を描き入れます。テンペラで二重、三重、四重と重ね塗りすることで絵に奥行きが生まれます。筆は極細のラインを描けるようにイタチの毛を使うのですが、中心に1本、その周りに3本、さらにその周りに7本と並べて作ります。オーナメント模様は金で、つやを出すために仕上げに磨きを入れます。安いお土産品だと金ではなく銅を使っているんだとか。良い材料を使い腕のいい職人が作る作品は、絵の奥行き感、描かれる人物の躍動感、絵の中の空気感が見る側に伝わってきますし、金のオーナメントが燃え立つ輝き方をします。
*ボール紙のようなざらざらの1ミリ厚くらいのパルプ材を重ねてプレスし、さらにオイルを浸して乾燥させることで、合板のようになります。

 隣にあったムスチョラ神現修道院Богоявленский мстёрский монастырьにも立ち寄りました。イコンの制作で細密画の技術が育った場所なので、今でもイコンを描く職人がいます。そのためか、教会の中は新しいイコンがたくさん架けられていました。


 帰りのバスは15:20発。ヴャズニキへは16:00少し前に到着しました。

 さて、帰り道はいくつかルートがあります。
 一つ目はヴャズニキの鉄道駅へ移動して19:14発22:10着のラストチカでモスクワへ。しかし、ロシア鉄道のHPを見る限りこの日は残席数がほとんどないうえに、3000R近くまでずいぶん値上がりしています。出発時間までの待ち時間もだいぶ発生します。

 ムスチョラの博物館で聞いてみたところでは、ヴャズニキからウラジーミルに出て乗り換え、モスクワへ行くのがいいとのことでした。

◎ヴャズニキ→ウラジーミル(バス, 390R)
16:00
17:25(水木金以外)
18:10(金・日)

◎ウラジーミル→モスクワ(バス 515R、近郊列車 525R、長距離列車 値段は等級による)


 これより遅い時間だと長距離列車が22:17まであります。

 ヴャズニキで下車するなりバスターミナルのチケット売り場に駆け込み、16:00のウラジーミル行きを購入しました(390R)。間に合ってよかった。車体はミニバスですが、残席には余裕がありました。このルートは購入時にパスポート提示が必須です。

 ウラジーミルに到着したのは17:30くらいでした。さすが、この駅は利用客が多く栄えています。早速チケットを確保。バス続きだったので、最後は近郊列車にしました。18:22発21:59着で525R。カード払い可で、パスポートの提示は不要でした。

 チケット売り場が混雑していて時間を食ったため、店で食事する時間はありませんでしたが、食料を調達することはできました。ピロシキ、プリャニク、コーヒースタンドのほか、ロシアのホットドッグのファーストフード店「スタードッグスСтардогс」が駅舎内にあります。

 それにしても、これだけ固いシートに座っている時間が長いと、腰や肩が痛む・・・

 (モスクワ・クルスク駅に到着)

細密画シリーズ① パレフ訪問はこちら。

8月のガソリンスタンド

  製油所攻撃によりモスクワでもガソリン不足が報じられています。今のところ、入荷し営業しているガソリンスタンドの数を絞って対応しているようです。今回ご紹介するのは 8 月にモスクワ郊外に出かけたときの様子。このガスプロムネフチは比較的列が短いと思いきや、油種が 2 つしか残ってい...