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2021年5月10日月曜日

民芸品展示会の続き

 民芸品展示会の続きです!まだまだあります。

これはトゥターエフさんという作家の作品。一つとして同じ色・形のものはありません。



この鞄、こんなふうに屋根が外れます。




詳しくはインスタグラムingerstvo_officialを。



金属部品を組み合わせて作られた魚の絵。これ、実はモーターが入っていて、一部が動作するのです。なんだかジブリ映画の飛行艇の内部を彷彿とさせます。




食品もずいぶんと種類があります。これはアルタイで採れたハーブティー。



乾燥キノコやベリー。乾燥ベリーは紅茶と混ぜてもいいのですが、直に食べてもうまいのであります。



燻製や干し魚も販売中。



こんなものまで。朝鮮人参です。どうやって摂取するのか聞いたところ、数滴をお茶やコーヒーに混ぜるとのこと。





ほかにもトゥーラのプリャニクТульский пряник、コロムナのパスチラПастилаなど、ロシアにいれば見たことのあるおなじみのお菓子メーカーもありました。サラミやハムなどの肉製品、チーズ、ハチミツも種類豊富でした。仕事中でなかったら買っていたのに(泣)。



ロシア北方のメゼニ塗りМезенская роспись。赤い馬が特徴的です。



ディムコヴォの玩具Дымковская игрушка。単体の人形のほか、メリーゴーランドやペチカなど手の込んだ作品もあります。



ロストフ州セミカラコルスクのドン陶器Донской фаянс。



こんな照明も。ネコもイースターエッグも、なかなか巨大です。僕の見ている前で高さ50cmはありそうな花瓶状のフロアライトを購入したお客がいました。ここも常に購入客がいて繁盛しています。



ジョストヴォのお盆。

 
 ほかにもリネンの服や刺繍入り布巾、レース、サラファンСарафан(長いワンピース)やルバシカРубашка(シャツ、ブラウス)といった民族衣装、フェルトのブーツ・ワーレンキВаленьки、グジェリГжель、ドゥリョヴォДулевоなどの陶器、クリンに工場のあるモミノキのオーナメント、パヴロフスキー・ポサードПавловский ПосадのプラトークПлатокなど民芸品の王道から、Tシャツに伝統柄をプリントして普通に着られるようにしたものや、革製品のように普段使いできるものもありますね。何でもある感じ。
 器用な手先が生み出す、そして芸術センスのあるロシア工芸力(?)の底力を見た気がします。また工場見学に行きたくなってきた…

2021年5月6日木曜日

ロシアの民芸品展示会1

 モスクワでは2021年4月21日~25日、ロシア民芸品展「火の鳥Жар-птица」が開催されていました。https://zharptica-expo.ru/
 

 2020年は中止だったのですが、すでに何年も開催されている恒例イベント。ロシア40地域から地元の伝統工芸品や特産品が出品されるほか、現代の作家による作品も販売されています。

 素晴らしい作品ぞろいなので、いくつかご紹介します!

 まずは何といってもマトリョーシカ。こちらはセルゲイ・コブロフさんのショップ。「地球の歩き方」でも取り上げられたことのある職人さんです。
http://studiosk.ru/



 同じブースにはご友人が製作する灯台の置物もありました。写真はロシア国内の灯台。ほかにも外国の灯台もあります。クリスマスツリーの飾り用に買っていくお客さんがいるとのことでした。



 次はボゴロツコエの玩具Богородская игрушка。200年以上続く木彫りの仕掛け玩具です。
一番よくあるのは、板の上に鳥が乗っていて、板の下に糸で吊った重りがついていて、回すと鳥が御辞儀してえさをついばむ形ですが、ほかにもいろいろあります。例えば職人さんが手に持っているのはボートをオールで漕ぐ熊。これが原型で、ここからさらに熊の形に彫り込んでいきます。


 こちらは売り物ではなく職人さんの自宅に伝わるコレクション。4頭の熊が船を漕ぎます。

 

 こちらはテニス。手元を押したり引いたりすると左右の熊が交互にボールを叩きます。


 こちらはロシア風サウナのバーニャの様子。1頭の熊がもう1頭の熊の背中を束ねた枝で叩くように動きます。



 続いては、民族博物館や郷土博物館にありそうなこんな木工芸品。



 もう少し大きく見せてもらいました。


 この作家、ナタリヤ・ジュコワさんはブースにいながらせっせと作品を製作していました。すでに注文して、出来上がりを待っているらしい客もいて、かなり人気のようです。これは絶賛製作中だった壁掛け。


 
 こちらはイースターエッグ。仕上げに茶色の絵具で輪郭線や影を入れ、最後にニスをかけて完成です。教会の壁画にありそうな植物柄ですね。インスタグラムzhukova.natalia.artで数多くの作品を見られます。


 ちょっと多すぎて次回に続きます。

2021年4月14日水曜日

フェドスキノ訪問記2(工房内部見学。レアもの)

 フェドスキノФедоскино/Fedoskino訪問の続き。時間になると、ガイド氏がやってきて見学開始です。

 小箱づくりの最初の工程は箱部分を作ることですね。パルプのシートを木型に何層にも巻き付けて、澱粉糊で貼り付けます。巻き付ける数は作品によりますが、最大で25層。小さいサイズの箱だと10層くらい。そしてプレスにかけてしっかりくっつけ、1か月常温で乾燥させます。



 次は、乾燥済みの箱に油を染み込ませる工程です。亜麻仁油に箱を沈め、オイルを吸収させてから、80~90度の釜でさらに2週間乾燥させます。昔は安かったため大麻の油を使っていたのですが、大麻の栽培が禁止されてから亜麻仁油に切り替えられたとのこと。



 乾燥窯の中はこんな感じ。


 

 乾燥が終わると、この筒状のものを製品の箱の高さにカット。触ってみると、木のような感触でかちかち。

 
 
 電動のこぎりでこんなふうに輪切りにします。



 ここの工程では、パルプをカットするだけではありません。フェドスキノでは螺鈿のように貝殻を埋め込んで、絵の一部が光るように細工しているものがあります。その場合、絵付師がここに来て、職人にどの位置に貝を入れるか伝えて、窪みを作ってこのようにはめ込んでもらいます。



 次は、この箱の外側に黒色、内側に赤色の塗料を塗る工程ですが、体に有害な物質を使っているので見学コースには入っていませんでした。

 その後、ここから絵付けの工程です。油絵具で絵を描き、その上からニスを塗って目の細かな紙やすりをかけます。その上からさらに絵具を重ねて、陰影や奥行きを出します。何度もこれを繰り返して、美術館にあるような絵画作品のような絵を作り出します。こちらは製作途中の絵。


  絵に紙やすりをかけているところ。



 絵具とニスを繰り返し重ね塗りしている途中の作品。


  最後に、工房の歴代の職人たちの力作が展示されていました。
 フェドスキノではヨーロッパやロシアの美術館に収蔵されている有名な絵画を模倣していました。そのため独自の様式というものはなく、風景画も肖像画も静物画もあります。

 こちらは救世主キリスト聖堂。





  絵付けする際には、工房内の委員会が、絵付師のアイディアを作品化していいかどうか審査するそうです。絵の良し悪しを評価するだけでなく、その作品は採算がとれるかどうか、販売価格をいくらにするかといったことにまで裁量権があります。絵付師は、どんな絵を描きたいか、そのためにどの材料がどれくらい必要かを申告し、承認を受けなければならないとのこと。そんな事情があるのか。

 承認についてのエピソードを伺いました。あるとき一人の絵付師が委員会に黙って自分の描きたかった絵を描きました。出来上がってから委員会に見せたところ、相当に厳重注意を受けたそうです。その絵付師の描いたのは、水辺にいる裸の男女の姿だったため、委員会は「あからさますぎる」と批判しました。しかしその絵付師は「20年後には、これがスタンダードになる」と主張。しかも早々に買い手が付きました。慧眼の人に認められてよかったですね。それでも彼女は厳重注意を受け、もう二度とこのように自分のアイディアを自由に描くことはできなくなってしまったそうです。


  また、ソ連時代は作品1個につき絵付師に支払われる報酬が決まっていたそうです。絵のクオリティには第1級、第2級とあり、第1級は月に1個しか作れないほどの難しい作品。第2級は量産できるもの。しかも、腕のいい絵付師であっても給与面でいくと第2級の作品を作った方がトータルでの報酬が多かったそうです。

 フェドスキノではこの細密画製作を教える学校ができたそうで、入学者を募集しているのですが、残念ながら就職先に問題があります。ガイド氏曰く「あなたたち、買ってくれないじゃない。」職人さんたちの生活のためには売上が必要ですが、そこまでたくさん売れないそうです。例えば2020年の1年間での生産個数は2000個。コロナで観光客がいない分、売れ行きの目処もたたないでしょうが、それにしても意外と少ないです。とはいえ工房の売店にあった細密画の箱は、土産屋の量産品よりも明らかに高品質のものばかりでしたが、安くても7000R台、上は十数万ルーブルという高級品ばかりだったので、気軽に買うこともできず。余程気に入った作品でなければ、財布の紐は緩まないでしょう。芸術が生き延びるのは大変だ……

 そのため、注文製作も受けており、プーチン大統領やオバマ元大統領の肖像画を描いたこともあったそうです。一般人でも、有名な絵画の顔をプレゼントする相手の顔に変えて描いていてほしいという依頼をする人がいるようです。

 こちらはこの工房で仕事をしてきた歴代の職人たち。


  さて、隣の博物館を簡単に見学して、帰ります。こちらは外国人料金で500R。詳細な紹介は割愛しますが、フェドスキノの作品だけでなく、近くのジョストヴォの作品も展示されていました。
 フェドスキノには休憩したり軽く食事したりできる場所がなさそうだったのですが、271番は午後にしばらく途切れる時間帯があり、帰りのバスまで1時間以上待たなければなりませんでした。どうやって時間を潰そうかと考えていたら、目の前を「ロブニャЛобня Lobnia」と書いたバスが通りました。ちょうどいいので、乗ってしまいます。こちらは56Rでした。
 終点、ロブニャ駅。
 
 ちょうどМЦД/MTsDの列車が停まっていました。これに乗ってモスクワ中心部に戻ります。サヴョーロフ駅まで40分ちょっと。



 


2021年4月8日木曜日

モスクワからフェドスキノ訪問(細密画をめぐる旅シリーズ4)①見学直前まで

 細密画の町シリーズも残り1か所となりました。ラストワンはフェドスキノФедоскино/ Fedoskinoです!




 これまで訪問したパレフПалех、ムスチョラМстёра、ホルイХолуйよりも、ここがモスクワからは一番近くアクセスしやすい。フェドスキノには現役の工房があり、職人による製作を見学できます。作業場を公開している工房はここだけなので、楽しみです。
 
 フェドスキノの細密画の由来は1795年、モスクワの商人のコロボフがフェドスキノの隣村のダニルコヴォに塗り物製品の工場を操業したことです。そこではパルプを原料にしてニスで塗装したさまざまな製品、たばこ入れや帽子のつばなどが作られていました。その後、経営がその娘婿のルクチンに引き継がれると、彼の下で工房は大きく育ちます。芸術的なセンスを持つ彼は画家を育成する学校を開きました。ほかの工房と差をつけるため、描くストーリーの種類を増やし、螺鈿や金属の透かし細工など新しい種類の装飾を箱に施し、自ら版画作品を購入してそれを模倣して描いたりするなど、作品を精力的に発展させました。19世紀から20世紀初頭には国外でも知られるようになります。1904年にルクチンの子孫で最後の工房経営者が亡くなると、工房は閉鎖されました。しかし1910年に職人たちが集まり、工房は再び操業を開始しました(とのこと)。
 

 一番簡単なアクセス方法は、地下鉄のグレー線の北の終点、アルトゥフィエヴォАлтуфьево Altuf'evo駅から271番バス。直通で現地まで行けます。





 バスの時刻表はこちらです。おおよそ1時間に1本です。




 ほかにも近郊列車ロブニャЛобня Lobnya駅とフェドスキノ間にバスがあります。ダニルコヴォДанилково Danilkovo行きに乗って途中下車します。



 


 さて、それから工房見学を手配します。公式HPはこちら。https://fabrica-fedoskino.ru/
左から、5人以下のグループ(1団体当たり)、5人以上のグループ、絵付け体験のマスタークラス(箱1個当たり)の料金です。




 電話すると、日曜日の12:00に団体ツアーがあるので、そこに加わるよう案内が。一人で行くので、1500R支払うことを覚悟していましたが、400Rになりました。
 

 さて、当日。地下鉄アルトゥフィエヴォの5番出口から地上に出ます。




 実際に5番出口から地上に出ると、地図上の位置ではなくもっと近く、すぐ目の前に271番バスがすでに停車していて、もうすぐ出発しそうな勢い。急いで乗りこみました。そんなわけで、乗車場所の写真がなくてすみません。100Rで、運転手が車内の一人一人のところを巡回して回収しました。
 

 郊外に向かって渋滞もなく、すいすいと進みます。30分足らずであっという間に到着。




 ここからは道なりにまっすぐ進みます。



 

 バス停の向かいは奇蹟者聖ニコライ聖堂Церковь Николая Чудотворцаがあります。立ち寄ってみたところ、赤ん坊の洗礼式の進行中だったので、そそくさと退散しました。





 ぬかるんだ非舗装路をひたすら道なりに直進します。





 ほどなく、右手にこんな建物が見えてきました。電光掲示板によると、ここが工房です。年季が入っています。





 左手はこの建物。こちらは美術工芸博物館Музей Народных Художественных Промысловです。



 
工房の中に入ると、入り口に受付の人がいますが、エクスカーションに来たというと、入って右手に進むように案内されます。



 

 右手の奥に売店があり、そこのレジで見学料を支払います。12:00スタートまでこの売店で商品を見ながら待ちます。





 時間になると、ガイド氏がやってきて見学開始です!(続く)
 

北朝鮮レストランが増えました 「ピョンヤン・ルィンラド」

  モスクワには以前から「コリョ Корё 」という北朝鮮レストランがあります。そして 2025 年 11 月末にはトヴェルスカヤ駅前の一等地にも 「スィンリ Сынри 」というレストランがオープンしました。この辺りは在留邦人の間でよく知られていますが、ほかにも数軒あるようです...