2024年9月14日土曜日

サマラ探訪 スターリンのバンカー博物館

 少々時間が出来たので、少し前のサマラСамара/Samara訪問時の記事を。

 ロシア国内にはいくつか地下シェルター博物館がありますが、サマラにある「スターリンのバンカー」は全国的に有名で、サマラで見るべき名所には必ず挙げられています。1942年に建てられ、1990年に博物館となりました。この度ついに行くことができました。

 

スターリンのバンカー https://bunker-stalina-samara.ru/

所在地 フルンゼ通り167 ул. Фрунзе, 167/Ulitsa Frunze, 167

営業時間 11:00-15:0013:00-14:00は休憩)

予約用の電話番号 +7 846 333-35-71

 ヴォルガ河岸に近いところにあります。

 事前に調べたところでは、このバンカーに電話して予約を入れるか、旅行会社のツアーに参加しなければ入場できないようでした。しかし直前まで予定が立たなかったので、ダメもとで直接現地に行ってみることに。入口が表通りに面していないので見つけにくいのですが、住所通りの場所へ行き、そこから中庭に続く細い道に入ると、住所の建物のサイドに小さな入口と看板がありました。

入口の椅子に座っていたおっちゃんに声をかけてみました。すると、「12:00に来な。現金で250ルーブルを用意しておいて」と言って、参加者の氏名を控えました。これはうまくいきそうな予感。

 

 12:00より少し前に入口に来てみると、びっくり。大量の人が。100人ほどはいたような。団体ツアー客を先に通してから、当日飛び込みの客を順番に並べて、時間差で順番に中に入ります。

入り口。「スターリンのバンカー」

 入口には撮影禁止の表示がありましたが、誰も気にせず撮影していました。各グループに同伴するガイドさんも撮影時間を設けたりしていたので、いいのでしょう。不思議な扱い。


バンカー内の地図。

 かなり混雑するので、大きなカバンを持っているこうや君は、切符売り場兼売店の向かいのスペースに置いていくよう指示されました。人の出入りする、鍵のない場所に放置することになるので、貴重品だけは持って先に進みます。

 バンカーの深さは37メートルとのこと。階段を降りて地下へ向かいます。こりゃ荷物は置いていかないと。一応、徒歩で降りられない人のためのエレベーターもあります。これほど深い場所に堅牢に作られた首脳のためのバンカーは世界中どこにもないとのこと。

なかなか疲れます。

なぜサマラにスターリンのバンカーがあるかというと、第二次世界大戦中にもしモスクワが攻撃を受けた場合に移動する予備の首都がサマラ(当時の名称はクイブィシェフ)だったためです。


地図を使って解説するガイドのおっちゃん。 


 194143年にこの地にあった各国大使館の所在地地図。欧米諸国のほか、アフガニスタンやイランもあります。日本大使館もあります。


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*「外務省外交史料 Q&A 昭和戦前期」にも記録がありました。

(出典:https://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/honsho/shiryo/qa/senzen_04.html#04

Question

 第二次世界大戦が始まっても日本とソ連は中立関係にありましたが、ドイツ軍の侵攻によりモスクワが危険な状態にあった時も日本の大使館はモスクワにあったのですか。

Answer

 ドイツ軍の侵攻により、1941年(昭和16年)10月より43年(昭和18年)8月までソ連政府および各国外交団はモスクワの東南東の方角約1,000キロの所に位置するクィブィシエフに移動していました。日本の大使館もその間はクィブィシエフにありました。

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スターリン大元帥の書斎。


 バンカー内の廊下。絨毯が引いてあったり、ドアや壁が塗ってあったりと、古いですがずいぶんと小綺麗にしています。古いソ連時代のホテルでまだ見れますよねえ、こういうの。


会議室。


 モスクワのタガンカにあるバンカーと比べると展示スペースはかなり少なく、内部は1時間弱で回れました。公開しても問題ないと判断されるほどに老朽化しているのでしょう。現代のバンカーとは全然違うんだろうなあ。

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