2024年9月25日水曜日

秘境トルクメニスタン(計画・準備編)

ルビアや中央アジア出張に出る前になりますが、ウズベキスタン滞在中の週末をどうしようかと考えていたところ、思いついてしまったのですよ。トルクメニスタンに行ってみようかと。ただこの国、ちょっと異色なのですよね。要準備。

 

まず位置関係はこの通り。


中央アジアの旧ソ連諸国は、短期滞在であればビザ不要ですが、トルクメニスタンは未だに必要。かつてはトランジットビザを使って地獄の門を訪れたという旅人がしばしばいましたが、コロナ以来このビザは発給されていないようで、行きたければ観光ビザを取得するしかありません。


観光ビザの場合、ガイドとドライバーも事前に手配することが条件に入ってくるので、必然的に旅行会社に依頼することになります。ただ、これがまた高額なんですよねえ。また何か所を訪問するかで所要日数が決まってきて、それに比例して価格も大きく上がっていくのですよ。僕の場合週末しかないので、その日数では選択肢もほとんどありませんが。

 

ともかく旅行会社に連絡してビザ用の招待状(Letter of InvitationLOI)を手配しました。

LOI作成に必要だったのは、パスポートの顔写真ページの写し、顔写真のデータ、本人に関する情報です。氏名、住所、職場と役職、婚姻関係、卒業した大学と専攻あたりを聞かれます。ロシアビザを作成したことがある人には見覚えのある項目ばかりです。LOIはメールで送られてくるので、これをプリントアウトして国境へ行けば、その場でアライバルビザを取得できるとのこと(旅行社曰く)。

 

丸腰で現地入りする勇気はなく、調べてみると、ロシア在外公館の公式ウェブサイトにトルクメニスタンに関する情報がまとまっているのを発見しました。ロシア語のみですがご参考までに。

https://www.kdmid.ru/docs/turkmenistan/information-about-the-country/

 

ところで、そこにはこんな記述がありました。

「通貨レートは固定で1ドル=3.5マナト(商用闇レートでは1ドル=19マナト)」

 

公定レートと闇レートの差が激しくて物価がイマイチ想像できませんが、公定レートでしか両替できなければ超物価高、闇レートを利用できたら豪遊できるということになりますな。

 

ほかに出入国の際に関係ありそうなのは通関手続きです。

外貨の持ち込みは税関で申告すれば無制限ですが、持ち出しは1万ドルまで。酒は1リットル、タバコは2箱(カートンではない)まで申告不要。処方箋に基づく医薬品は、本人に処方されたことを証明するものを提示したうえで本人の使用する分のみ申告なしで持ち込み可。

 

それから、武器や爆発物などの危険物は当然ながら持ち込み禁止なのですが、ほかにも「右ハンドルの自動車」、「製造から5年以上の自動車」、「スポーツカー」などがあり、自動車に関する規制は厳しいようです。また「トルクメニスタンの政治的経済的利益、国家安全保障、国民の健康および道徳の保護に害を及ぼす可能性のあるデータを含む情報媒体」とあるのはこの国ならではか。ほかには「ポルノ製品」、「無効となった有価証券」、「タグ(ラベル)、ボトルの栓及びすべての種類のアルコール製品製造用のその他包装材」などなど。密造酒を懸念しているということですかねえ。

 

とはいえ、これらを所持して入国することはないので問題なし。

 

個人による持ち出し(郵送)が禁止されている商品もあります。

こちらも多々あるのですが、例えば「プロポリス」、「宝石」、「刻印なしの宝飾品」、「チョウザメ科の魚(生きているもの及び死んでいるもの)、その一部及び加工品」など。つまりカスピ海のチョウザメのキャビアを土産にはできないようです。また許可がない場合は「手作業による古い絨毯および絨毯製品」、「アーカイブ資料」、「美術品、骨董及び考古遺物、その他の芸術、歴史、学術及び文化的価値を持つ物」も持ち出しできません。

 

ほか、チェックすべきはこのあたり。

・滞在場所にいる期間が3日以内の場合は滞在登録不要。

・写真撮影は軍の施設といくつかの政府施設以外は認められているが、撮影前にガイドに聞いた方がいい。空港や国境地域での撮影は非推奨。

・路上、公共の場での喫煙は禁止。

SNSやメッセンジャーアプリはブロックされている。通信速度は低く、価格は高い。公共の場にWiFiはない。

 

インターネット環境に関して別途調べると、SIMカードについては国内唯一の通信事業者アルティン・アスィル Altyn Asyrの提供するTM CELLというモバイルサービスがあります。パスポートを提示すると外国人旅行者でも購入できるとのこと。

250 MB10マナト、1.5GB60マナト、20GB200マナトの3種類のプランが存在しているようです。Googleマップやヤンデックスマップを見る限り、首都アシガバードですら店舗数が非常に少ないのですが、偉大なる旅の先人たちの投稿を読む限り、いくらか自由行動できるようなので、うまくいけば購入できるかもしれません。

 

ロシアの携帯電話事業者のローミングも調べてみたのですが、一般的なローミング対象国にトルクメニスタンは入っていません。最も廉価なのはBeelineで1MB768R、次がMTS5MB1300R、ティンコフ・モバイルが10MB7499Rという超高額です。その他通信事業者は提供なし。かろうじて通信は確保できそうなので、緊急事態時にはローミングで何とかすることにします。

 

僕の出張期間中に一時重なってウズベキスタンに行くロシア人の同僚(友人)にこのアイディアを語ったところ、乗り気だったので、勢いづいてLOIを申請しました。すると20日後、ちゃんと送られてきたので一安心。同時に一抹の不安も抱えつつ、実はもう決行日を迎えました(既に入国済み)。

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