2018年5月20日日曜日

スターラヤ・ルッサへの旅5(野外博物館)

 スターラヤ・ルッサが初めて歴史書に登場するのは1163年だそうですが、もともとこの地では製塩が営まれていました。保養所の向かいにある、中世の屋敷を再建した野外博物館では、当時の建物や生活用品を見ることができます。入場料は100ルーブル。入ると、麻の民族衣装を着た女性がパンと塩をくれます。ロシアの伝統的な客人の迎え方です。




 昔の製塩所。磯の香りがします。
 

 ニワトリがたくさん飼われていました。
 

 ロシア伝統のサウナ、バーニャもあります。
 

 熱した石に水をかけて蒸気を上げます。


 織機。反対側には糸巻き機も。



 さすがに歩きっぱなしでお腹が空いてきた・・・ツーリストインフォメーションで、この町の郷土料理があると聞いた、カフェ・バーシニャ(塔)へ。そのまんまですね。



 広場にある貯水塔。道路を挟んで、塔の向かいがカフェです(2階)。おすすめは、イリメニ湖やポルシヤ川でとれるスズキを使った料理。カツレツや焼き魚があります。どこに行ってもボルシチ、ピロシキ、ペリメニなど同じ料理が多くて、郷土料理の少ないロシアですが、これはちょっと楽しみ。
 スズキのカツレツを注文。



 焼き魚には、ポーランド風ソースという、自家製マヨネーズのようなものがつきます。それからもう一つ勧められたのが、ポテトの上に豚肉ステーキやチーズを乗せてオーブンで焼いた料理。これもうまそうだったが、ボリュームはロシアンサイズ。
 ここでしっかり食べておいてよかった。というのも、このあと夕食時に駅へ向かいながら食事できる場所を探すも、営業していないところばかり。結局、スーパーで食料を調達しました。
 その後、郷土博物館があるというので、行ってみる。しかし、地元画家の作品を修道院の建物の一部で展示しているのみ。会場のスパソプレオブラジェンスキー修道院。12世紀に設立されましたが、この建物は1970年に再建とのこと。


 こちらは17世紀の三位一体教会。



 途中で食料を調達して、駅へ向かいます。あとは発車時刻まで駅舎で粘りました。
 同じ列車に乗る人たちが時間になると駅舎から出てホームに立ち始めるのですが、何号車がどの位置に停車するのかが分かりません。皆さん、列車本体が速度を緩めながらホームに停車するのを追いかけるようにして自分の号車を探します。
 帰りのプスコフ―モスクワの列車はフィルメンヌィでした。プスコフから乗車の周囲の皆さんはもうお休みだったため、車内の写真を撮れませんでしたが、三等寝台のマットレスが、黒い不織布でコーティングした、軽量の新しいものでした。充電も、各座席にコンセントがあるタイプ。PCを開きましたが、睡魔に勝てず。レニングラーツキー駅まであっという間でした。明日から仕事。

2018年5月13日日曜日

イルクーツク・ウランバートル線の設定

 最近気がついたのですが、イルクーツクИркутскとウランバートルУлаанбаатарの間に国際列車が新設されていました(ウラン・ウデУлан-Удэ経由)。



 イルクーツク発(0808発)は週3便(月水金)、ウランバートル発(1522)も同じ(火木土)で、それぞれ次の日に終点に到着です。
 行程は22時間程度です!
 イルクーツクに飛行機で入って、ウランバートルから出るというモンゴリア小旅行も可能ですね!
 尚、今のところチケットはネットで買えないそうです。現地で(場合によっては筆談で)どうぞ。

2018年5月12日土曜日

スターラヤ・ルッサへの旅4(保養所編)

 ここスターラヤ・ルッサに暮らす人々は、なぜか風邪もひかず病気にもならないと言われていたとのこと。18世紀になると、この土地で取れる鉱水や泥が健康にいいとして保養所が建てられました。最初はペテルブルグの中流貴族らが来ていましたが、評判が広まると皇帝や上流クラスが訪れるようになりました。ドストエフスキーや作曲家のラフマニノフも滞在したことがあるらしい。ドストエフスキーの場合、保養所での療養というよりも、都会を離れて賭博熱を冷ますことが目的でしたが。
 入り口はこちらです。



 実際に湧き上がる鉱水。高さは最大8メートルにもなるそうです。



 ここに保養所ができたときは、このような外郭を泉にかぶせていましたとのこと。第二次世界大戦中に保養所が破壊され、戦後再建された時にこれも復元されましたが、今はまた外されています。泉の水が空中で自然に振りまかれるのが、周りの緑に良いのだとか。



 戦前の写真を展示していました。19世紀の保養所の様子。華やかな世界です。



 飲む鉱水の蛇口がずらっと。ここには11番と12番の水があります。それぞれ冷水と常温水を飲めます。鉱水は、真水のように無味無臭ではなく、塩っぽい、金属っぽい風味が混ざっています。常温水の方が味が強まります。12番はまあまあ飲めますが、11番はしょっぱかった。


 尚、売店で使い捨てのコップを3ルーブルで売っています。空のペットボトルに水を汲んでいく人たちもいましたが、日本の湧き水のように何リットルも汲むのではなく、必要な分だけ少量です(そんなに飲めない)。細い吸い口のついた、鉱水を飲む陶器の専用コップを使う人も多いです。

 巨大なチェス盤が。保養所は実際に長期療養する人たちが滞在しているので、娯楽を楽しんでいるのでしょう。


 保養所の敷地は広く、湖が3つもあります。ここではミネラル豊富な泥を採取して、皮膚病や体の痛むところに塗布して炎症を抑えるのに使われています。ここでしか取れない組成の泥なのだそう。夏は滞在客も増えて、敷地内にある劇場もシーズンを迎えます。

 子供たちがトレーニングマシーンで遊んでいました。


近くをカモが歩き回っていたり、ご老人夫婦が散歩していたりと、とてものどかです。もう少し暖かくなって公園が緑になっていたら、もっと美しかったことでしょう。

2018年5月4日金曜日

スターラヤ・ルッサへの旅3(ロシア編)

 ドストエフスキーДостоевскийの「カラマーゾフの兄弟」では、スターラヤ・ルッサСтарая Руссаが舞台になっています。作家が実際に暮らした家が博物館Дом-Музейとして保存されているので、行ってきました。


 ドストエフスキー博物館は、ロシア国内に7か所、カザフスタンに1か所あります。

 入場料は、外国人で200ルーブルでした。


 一家は2階部分を借りていたそうです。夜通し仕事をする作家の部屋にはずっと明かりが灯っていたのでしょう。

 この博物館で作家本人の所有していたものは3つしか残されていません。シルクハット、手袋、卓上の敷物。



 ほかは同時代の家具や物品を入れての再現でした。



 作家の書斎。ここには作家の愛好したディケンズなど文豪の肖像画や、「白痴」に登場するホルバインのキリストといった好きな絵画作品が飾られていたそうです。



 続いて食堂。19世紀後半の中流階級の典型的な様式だそうです。ドストエフスキーはここで毎日子供たちからその日の出来事を聞くのを楽しみにしていたとのこと。



 こちらは妻アンナの仕事部屋。夫の原稿を清書するほか、契約書類管理なども彼女の仕事でした。
 


 博物館の前にはポルシヤ川Порусьяが流れています。雰囲気はまさに小説の世界。アリョーシャはこの道を何度も往復したのでしょうか。少し先にはグルーシェンカの家もあります。
 


 付近にはいくつか教会があります。ドストエフスキーも通ったということで、道すがらたどります。
こちらは殉教者ミーナ教会。成立年は不明ですが15世紀に最初の記録あり。
 


 聖ゲオルギー教会。入り口前に酔っ払いの集団がいて、遠目から見かけるなり「こっち来いよ!」と。これ以上近づけず。
 


 ニコリスカヤ教会(1371年)。現存するのは1710年に再建されたもの。鐘楼の建造年はもっと古く、13世紀末~14世紀初頭には存在したそうです。
 


 ドストエフスキーの銅像。
 


 ここは町の南外れで、広場の脇をこんなバスが走り抜けていきました。


 地方都市とはいえ、ここまで古いバスを見るのはかなり久しぶり。

 ここから町中方面へ向かいます。

2018年5月1日火曜日

スターラヤ・ルッサへの旅2(ロシア編)

前回はルートを調べたので、今回は実践編です。
 レニングラード駅から乗車し、朝に終点のヴェリーキー・ノヴゴロドВеликий Новгородに到着。すでに明るくなっています。駅構内には無料Wifiがあります。コーヒーの自販機もあり、いつでもホットコーヒーが飲めます。さすが、州都だけあって便利です。
 駅の右手にバスターミナルАвтовокзалがあります。


 写真のフロアの奥にさらにチケット売り場があります。警備員がいて写真を撮り損ねました。チケットは250ルーブル。ここヴェリーキー・ノヴゴロド始発もあるようですが、僕の乗車したのはサンクトペテルブルグからのバスでした。


 途中乗車は席予約なしで、空席に座ります。


 1時間40分でスターラヤ・ルッサ着Старая Русса。けっこうたくさんの乗客が乗り降りしていました。


 写真はバスターミナル外観です。


 隣の鉄道駅には小さな教会も。雪解けと未舗装道路が多く、この町はぬかるみが多かった。


 駅の内装は塗りなおされたのか、だいぶきれいでした。


 時刻表はこちら。上2つがモスクワМосква―プスコフПсковの長距離列車(毎日)で、下4つが郊外列車(金/金・日)です。


 この駅は、ヴェリーキー・ノヴゴロドと違ってWifiはありません。コーヒーの自販機もありません。軽食堂はあるのですが、18:00には閉まるので、帰りの22:38発の前にここで食事はできなそうです。

 市内へ向かいます。現地で発見した地図。



 ポルシヤ川Порусьяまで来ると、救世主聖堂が見えます。


 広場には貯水塔。夏はマーケットなどのイベント開催に使われるそうです。


 20:00でこの明るさ。もう春です。


アルメニア編その2 エレバン探訪(part2)

漬物屋。キャベツ丸ごとがでかい。 スパイス各種。 野菜コーナーにて突然のしめじ。   ・鉄道駅横の市場(営業時間6:00~9:00) 地元の人々が通う生鮮市場を見たいならここもありです。駅舎に向かって右側にある体育館のような巨大な建物とその周辺で青果や魚、チーズ、スパイスなどを売...