2016年7月30日土曜日

ポーランドからウクライナへ(ワルシャワからルブリン経由でキエフへ鉄道、バス、鉄道で移動)

 以前立てた計画に則り、ワルシャワから鉄道でルブリンへ、ルブリンからバスで国境を越えてヴォロディームィル・ヴォルィンシキーへ、更にそこから夜行でキエフまで戻ってきました。確かに疲れましたが、ボロボロになったというほどでもありませんでした。

 ワルシャワ中央駅Warszawa Centralnaの電光掲示板で朝、列車を確認。予定通りのはずでした・・・。2番線で列車を待ちます。


 ところがどっこい、前の列車が遅れていて、30分遅れで列車が発車です。到着ホームも反対側に急に変更になり、慌てて乗車です。


 自分では気づいていなかったのですが、指定を取っていました。それ故、当該車両に移動です。


 ヴィスワ川を越えて東に向かいます。最初はスピードも40キロ程度でデンブリンDęnblinくらいまでノロノロ運転。


 更に雨が降り出します。途中、プワヴィ・ミャストPuławy miasto駅。


 ルブリン(Lublin)駅。ルブリンでは普通に雨が降っていましたが、列車の遅れもあり、早足でバスターミナルのある旧市街方面に向かいます。


 旧市街に入る橋を渡る時にはズボンの裾はずぶ濡れでした。


 更に進んでいくと中心部分の三位一体教会などが見えてきます。


 カトリック専門書店を通り過ぎて・・・


 旧市街中心部の入り口、クラクフ門(Brama Krakowska)に到着。ずぶ濡れでしたが休まずに門をくぐって行きます。


 よく見ると分かるのですが、少女が雨の中、綱渡りの練習をしていました。



















 とうとう宮殿(Zamek Lubelski)が見えてきました。リトアニアとポーランドの合同を決めたルブリン合同(1569年)の締結の場所です。


 宮殿へ向かう道は高台になっており、下に広場があります。一番向こうのあたり(道を越えるのですが)がバスターミナルです。


 ターミナルに行くにはやや早すぎたので、早足で宮殿内(博物館になっている)を見てきました。詳しくは書きませんが、出てきた時には雨が上がってました。神はいるものですな。


 宮殿の高台から降りて北に向かうとバスターミナル(Dworzec Główny Autobusowy)が見えてきました。


 洗練されたワルシャワとは違う、ウクライナの香りがするターミナル。今見てみると分かったのですが、写真のオレンジ色のバスが目的のバスでした。しかしこのバス停、とても広くて、とりあえず右手の方に向かってしまいました。


 お目当てのバス乗り場はここではありませんでした。


 これもハズレ。この先にも、また右の方にもまだまだ幾つもバス停がありました。


 最後に、ぐるっと回って最初の場所に近づいたところでようやくバスを発見。ちゃんと席もありました。僕が乗るのはルブリンからヴォロディームィル・ヴォルィンシキーまでですが、バス自体はワルシャワ発ルツク(Луцьк)行きです。


 陽気なビデオが車内に流れるなから、ヘウム(Chełm)の町で新たなお客を乗せてバスは進みます。


 道路は続くよどこまでも。麦刈りの季節で、トラクターに幾度も道を阻まれました。


 やってきました。ゾシンのポーランド・ウクライナ国境の検問(Przejście graniczne Zosin)です。出国審査所では赤い眼鏡の厳しそうな女性が乗客全員のパスポートを集めます。返却の時には怖い表情が明るい顔に戻っていました。我々のような路線バスは列に並ばずに検問所に入ることが出来るのですが、ただ、審査自体で一時間くらいかかりましたね。外にはトイレもありますが有料2Zlでした。


 その後、川を渡ってウクライナ側のウスティルフ(Устилуг)の検問で入国審査。こちらは比較的空いていて、20分程度でスタンプが捺されて返却。出発すると途端に道が悪くなり、EU圏を出たことが実感されます。


 比較的すぐにヴォロディームィル・ヴォルィンシキー(Володимир-Волинський)のバスターミナル(Автостанція)に到着。予想通りの田舎町でした。


 ターミナルの入り口。脇にトイレがあります。1.5Gでした。ポーランドから来ると安さに驚かされます。


 バス路線図です。


 国際線のみ時刻表を載せておきます。ポーランドでは、ヘウム、ザモシチ、フルベシュウ、ワルシャワ、シチェチン行き、ベラルーシ方面はブレスト行きだけですね。


 チケット売り場もあります。


 まだ明るいのでその後殆どの名所を廻ることが出来ました。ターミナルの南側にはすぐ、高くなった場所が見えます。かつての城塞の跡です。

 城塞の南側は更に低くなっていて川も流れており、要塞の立地条件を満たしているのですが、しかし13世紀のバトゥ軍には落とされてしまいました。


 教会は一つだけ載せておきます。城塞内のウスペンシキー(ウスペンスキー)聖堂(Успенський Собор)。写真だと小さく見えますが、結構巨大なのです。12世紀のムスチスラフ・イジャスラヴィチが命じて建設されたもの。ムスチスラフ公はガーリチ・ヴォルィニの英雄ロマン大公の父、ダニール(ダヌィーロ)公の祖父に当たる人物です。


 シェフチェンコ通りをひたすら東に向かうと国鉄の駅が見えてきます。ずっと田舎道で途中の食料品屋でマローズィヴォ(アイス)を購入。


 駅前に一件だけあるバー(食事可能)と食料品店。バーは23時まで開いています。食料品店は24時間営業(但し3-5時は休憩)とのこと。


 見た目的には相当立派な駅本屋(Вокзал)の建物。しかしお客さんは真ん中の部分だけしか使えません。


 切符売り場は真夜中に列車に乗る時もまだ開いていました。


















 長距離列車はリヴィウ発コーヴェリ経由キエフ行き(とその逆)のみです。


 近郊線は多少あります。


 構内は旅客用のホームの両面の二本に加え、手前に穀物運び出し用の貨物線が一本、向こう側にヤードが4本あります。もちろん非電化です。


 貨物ホームに停まっていた穀物輸送用の貨車。実はおばあさんが一人、こぼれた麦をほうきで集めていて、僕が近づくと警備員かと思ってビビっていました。最終的には40キロくらいの大きな袋にびっしり麦を詰めて去って行きました。まあこれって盗みだよねえ。


 ヤードの向こうにも脱穀場と思しき工場があり、どんどん穀物の詰め込みが行われていました。


 21時台の近郊列車。ディーゼル機関車が客車を引いています。


 23時台の列車はディーゼルカーでした。


 日付が変わり、我々の列車も到着。しかし真っ暗すぎて写真はダメでした。ものすごく長い列車で、15〜20両位の客車をディーゼル機関車が引いてしました。入線しないと乗車口が分からないので、列車が入ってきた途端、ホームの客が皆、自分の乗車口に目指して走り出します。

 目が覚めたら既にキエフに近いコロステニ(Коростень)の駅でした。


 この乗降口。一度紹介したかったのですが、走っている最中には左の蓋のような部分が倒れて入り口をふさいでいます。乗降時のみ持ち上げると、階段部分の一番下の段が連動していい高さの位置に飛び出してきます。


 奮発した一等寝台(Люкс)の入り口を中から。液晶テレビもついています。同室になった青年イーホリ君はスムィ出身の学生でした。また車掌に頼んだお茶は無料でした。コーヒーは6Gかそれくらい取られます。


 スヴャトシン(Святошин)を過ぎればもうキエフ駅はすぐです。


 さらばハルィチナ号(因みに僕は14号車でした)。


 キエフ駅Київ前のこの雑踏に、ポーランドは遠くなったこと実感しました。

(2016.7.30)
*11月にもポーランドからウクライナに移動しました。こちらもご参照下さい。

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2016年7月28日木曜日

ウクライナからポーランドへ(キエフからワルシャワ、ウッチへ鉄道で移動)

 「言葉の壁を越えられるか」ということが一つの課題であったポーランドPolska行き。まずは列車に乗るためにキエフ旅客駅Київ Пасажирскийに行きます。ディーゼル機関車にひかれて、ワルシャワWarszawa行き(コーヴェリКовель行き併結)が入線です。



 ワルシャワ行きは入線して来た車両の順で言うと後ろの方に連結されていました。ワルシャワまで行く列車はポーランド国鉄の車両、コーヴェリまでの列車は一回り巨大なウクライナ国鉄の車両です。屋根の高さの差に注目!



幅も違います。線路の幅以上に客車の幅に差があります。

 

 ポーランド国鉄の車両に乗り込むと、片側だけのクペであることが判明。しかも後で車掌に尋ねたところ、上段にお客は来ないので、もう寝具を敷いてしまってよいとのこと。つまり個室状態でワルシャワに行くことが出来ることが分かりました。
 因みに乗車時には車掌にチケットを預けます。パスポートのチェックも一応あります。

 

 この部屋、髭剃り用の電源や鏡もついています。実は下の机の「内部」には洗面台もついていたのですが、水は出ませんでした。



 窓は、寒い時期にも耐えられる三重窓。

 

 しばらくすると車掌から寝具が配られます。乗り慣れたプラツカルトの寝具セットと一緒です。敷きシーツ、かけシーツ、枕カバー、タオル。

 
















 南回りでシェペチフカШепетівкаに到着です。



 真夜中のコーヴェリ駅。真っ暗です。ここでウクライナ国鉄の車両を切り離します。



 次いでウクライナ側の国境の駅ヤホディンЯгодин。まずは駅停車中に車内でパスポートを回収されました。その後、返却までの間に台車交換です。乗ったまま屋根付きの車庫に移送され、標準軌と広軌の4線軌道の場所で車両を持ち上げます。黄と黒の縞模様の入った柱の根元に車体を引っかけて持ち上げます。更にウインチで上からも引っ張り上げています。上がり方は相当にゆっくりで、寝ている人にまず振動は伝わりません。ただ、振動はないのですが、音はなかなかうるさいですね。特に台車を外す前のボルト外しやその後のボルト締めなど。



 わかりにくいですが、前の写真と比べて、恐らく1m程度持ち上げられています。その間に、広軌の台車を移動させ、代わりにポーランドの標準軌の台車を下に配置し、その後車体を下げていき、これを台車と合体させます。次いでヤホディンの駅に戻ると、スタンプが捺されたパスポートが戻ってきました。



 ポーランド側の入国審査駅、ドロフスクDorohuskに到着。夏なので時計の針を一時間戻します。久々のラテン文字の世界です。EU圏内なので厳しめの審査を予想していたのですが、日本人だったからか、それほど厳しくもなかったと思います。車内に来た審査官にどこから来たのか?キエフでの住所は?といった質問を受けました。



 ルブリン駅Lublinに到着です。ここでポーランド国鉄のIC(特急)の車両を連結します。併結してワルシャワに向かいます。



 ワルシャワ東(ウスホドニア)駅。次が終点ですから降りる準備をします。布団をたたんで上の棚に上げておきます。



 ワルシャワ中央(ツェントラリナ)駅で下車です。地下ホームに到着でした。というか、地下ホームのみの駅でした。非常に明るく綺麗で近代的な駅で、ちょっとキエフやモスクワの駅とは違います。



 後ろに併結されていたルブリンからのIC。車両の色が異なります。ともあれ、エスカレーターで一旦上に上がって別ホームに向かいます。



 連絡通路に設置されているIC切符の自販機。英語表記もOKです。ATMもあります。



また列車案内もあります。ウッチ・カリスカŁódż Kaliska行きがありました。(写真では途切れいてますが)右端に発車ホームの番号も書かれています。



時間があるので一瞬だけ外に出ます。



スターリンがワルシャワに贈った文化科学宮殿も目の前です。



 側面から駅を見たところ。



 再び地下ホームに降りると、ベルリンからの列車が停車していました。



 時間通りに到着したウッチ行きIC。客車列車でした。列車自体には行き先表示がないのでポーランド人に確認してから二等車両に乗車。自由席のようでしたので窓際に勝手に座ります。一つのクペには6人分の席がありました。発車してから車掌さんが廻ってきてチケットをチェックします。因みに車掌さんがスーツにネクタイという格好でしたので、最初、車掌だと分かりませんでした。



 一時間半程度でウッチ・ウィジェウWidzew駅に到着です。客車でしたが内装は綺麗でした。車内のホームも清潔感があり、旧ソ連圏の駅とはひと味違います。一言で言えば洗練されている、という感じでした。


(2016.7.28)
*11月にはリヴィウからプシェムィシルに移動しました。そちらについてはこちらをご覧下さい。更にリヴィウからクラクフへの移動についてはこちらをご覧下さい。

(IC, Łódż, pociąg, Polska, Warszawa centralna, залізничний, київ, поїзд, потяг, Ягодин, )

アルメニア編その2 エレバン探訪(part2)

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