2017年2月11日土曜日

テッサロニキの特に古い建造物、教会(4-6世紀もの)

 テッサロニキΘεσσαλονίκηには古い建造物・教会が多く、見て回るのに疲れました。そこで、特に古い時期のものに焦点を絞って紹介します。一応、今回は4-6世紀のものがターゲットです。それ以降のものは割愛します。

 1、都市城塞・城壁

 ごく大雑把に示すと、テッサロニキの町は下の図のような都市城壁で囲われています。現存のものは4世紀後半のものとのこと。



 町の北側の城壁。


 
 アクロポリスに抜ける入り口。

 

 北東の塔。落書きが多かった。



 東側の城壁。海辺の「白い塔」まで続いていました。かなり残っています。






 普通の家と融合してしまっている部分もあります。



 西側もかなり残っています。






 2、ロトンダΡοτόντα
 
 4世紀のローマ皇帝ガレリウスの宮廷の一部として建設されたらしいです。



 入り口には、イコンとアラビア文字が掲げられていて、この建物が辿った数奇な運命が分かります。



 もちろん円形で、奥にはアプシダがありました。



 円蓋部分にはモザイクが残っています。ただ、どれが誰であるかといった説明書きはありませんでした。



 中世でも早い時期には、ローマの影響を受けて、果実とか動物のモザイクも多いですよね。




 3、アルヘイロピイトス教会Ιερός Ναός Παναγίας Αχειροποιήτου

 なかなか門が開いていなくて苦労しました。平日の午前9時過ぎに開いているのを発見。しかし、礼拝が行われており、10時半頃に再訪。ようやく中に入ることが出来ました。
 初期中世のバシリカとのこと。ローマ時代の公共浴場の跡地に立てられたとのこと。写真はアプシダ側からの外観。



 木骨天井の三廊式です。



 柱の間に古いモザイクが、またギャラリー部分のところどころにフレスコが残っています。



 モザイクはやはり動植物が多いですね。



 4、ホシオス・ダヴィド教会Ιερός Ναός του Οσίου Δαβίδ

 この教会、なかなか良かったのですが、内部の写真撮影は禁止とのこと。最大の見所はアプシダ上の半円ドームに描かれたキリスト(と預言者二人)のモザイク。司祭さんが非常に細かく説明してくれたのですが、このキリストには髭がありません。これは大変珍しく、こことラヴェンナの二箇所にしかないのだそうです。尚モザイクは4世紀のものとのこと。



 入り口の門。10時に開門です。



 5、聖ディミトリオス教会η εκκλησία του Αγίου Δημητρίου

 キリスト教の公認以前に聖デメトリオスがガレリウス帝の命令で逮捕、殉教した場所でその後、5世紀に建てられた教会。バシリカ様式です。



 身廊部分。木骨(に似せた素材のように見えた)天井が見えます。



 1917年だったかに一度火事で焼けたとのこと。それ故、フレスコなどは部分的にしか残っていないとのこと。ギャラリー部分は何かが描かれていたのは分かりますが、判然としません。むしろ柱のフレスコの方が比較的分かります。



 これはモザイク。



 こちらもモザイク。良く残ったものだ。



 地下祭室も入ることが出来ます。古い柱などの展示場になっています。



 柱頭。確かクジャク。



 6、聖ミナス教会Άγιος Μηνάς

 立て替えが重なり、ほぼ原型を留めていないらしいですが、元々は5世紀末か6世紀初頭のものとのこと。幾つかのレリーフが現存しているのですが、それらは全て市内のビザンツ博物館に持っていかれているとのことです。一応リンクを張っておきますが、いつ切れるか分かりません。獅子が鹿か何かを襲っているレリーフがそれです。
 入り口部分。



 現在の内部。19世紀のものらしいです。



 その他市内にはガレリウス帝のアーチや宮廷跡があります。聖ソフィア教会などはもう少し後の時代のものなので今回は割愛します。

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