2021年4月21日水曜日

ムールマンスクへの旅3 北極圏バレンツ海のほとりテリベルカ

 ムールマンスクから130キロ離れたバレンツ海のほとりに、テリベルカという村があります。映画の撮影でも使われたことのある場所なのですが、ここの自然がとても素晴らしいと聞きました。


 
 ムールマンスクからは2日に1回定期運航のバスがあります。時刻表はこちらです。ムールマンスクからテリベルカ。月曜のみ17:40発、水、金、日は18:00発です。
 


 テリベルカ→ムールマンスク。月、火、木、土に運行しています。


 しかしこれだと現地泊が絶対必要ですし、現地の足も必要です。ここは現地旅行会社の日帰りツアーに参加することにしました。完全に個人で貸し切りだと1万2000R、グループに入ると1人5000R(冬は現地でスノーモービルに乗るため、1000Rアップして6000R)くらいが相場です。スタートは朝9:00~10:00くらいが多いです。僕の予約した会社では、ホテルにガイド兼ドライバーが来てくれましたが、中には町の中心部にある特定のホテルのロビーに集合して出発するパターンもあるようです。

この日は運よく晴れました。そのため吹雪で通行止めになることはないだろうと高をくくっていたところ……

一部区間が強風のため、前日積もった雪で吹き溜まりになって道幅が狭くなっていました。そのため先にテリベルカからムールマンスクへ行く車を通し、続いて僕たちのムールマンスク→テリベルカ行きを通すことに。しばし待機です。


  と思っていたら、後ろから来た乗用車が僕たちの前の空きスペースに進入し、駐車しました。しかも深い吹き溜まりになっていて、雪がかなり硬く重くなっている箇所にです。前輪が空回りし、前進も後退もできなくなりました。ガイド氏のスコップで雪かきしても、数人がかりで押してもびくともしなくなり、最終的にロープで牽引して脱出できました。

 どうやら、車高の高い自動車やオフロード車ならいいのですが、普通乗用車で釣りに行く地元の人たちが、十分な準備なしでこのように雪にはまってしまうことが往々にしてあるそうです。ムールマンスク市内を走るタクシーも、テリベルカまでは行けないという人がいるらしいのですが、ガイド氏もテリベルカにいる知り合いと何度もコンタクトを取り、交通状況を確認しあっていたので、慣れていないと地元民でも困難な道のようです。侮れん。


 
 予定をかなりオーバーしてテリベルカに着きました。海沿いのカフェでトイレ休憩兼食事です。大きなガラス張りの窓から海が一望できます。




  この隣にももう一軒、ガラス張りのカフェがありました。それからここにはホテルもあるそう。ただし接客態度やトイレを使わせてくれるかどうか、料理の価格など合わせて考えるとここがいいということでした。確かにインフラがまだ整っていないので、トイレがある場所は要チェックです。
 料理はペリメニやブリヌィといったスタンダードなロシア料理のほか、鹿肉や海鮮など地元の食材を使ったものも。これは鹿肉のスープで、黒パンが付きました。350R也。
 


 ここの海岸は砂浜でした。海岸に乗り上げた船。


 船の墓場。アラル海もこんな風になってますよね。


 この先は雪が深いのでスノーモービルで移動です。ドライバーの後ろに1人、その後ろの牽引する部分に最大で5人乗れます。


 最初に向かったのはこの海岸。「ドラゴンの卵」と呼ばれる、激しい波で角の取れた大きな丸い石がごろごろしています。



 岩の上に登り、崖の先端まで行けるのですが、かなりの高波です。



 しかし、北の海でもこんなにきれいなエメラルドグリーンになるのですね。この色は沖縄など、南の海特有かと思っていました。
 

 ここからもう一度スノーモービルに乗って移動します。次に向かったのは滝が海に流れ出るところです。


 背の高い木はなく、土が少なくて風が強く気温が低くても生存できる、地を這うような低木が見られました。


 ここで見学は最後。最初にスノーモービルに乗った、車を止めた場所まで戻ります。

 帰り道は行きと違って道路は空いていました。観光客もほとんどいなくなり、ちょうど定期バスの時間に合わせて除雪も完了していました。おかげで帰り道はあっという間にムールマンスクに到着。いい日帰りの旅になりました。


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