2020年11月23日月曜日

ペトロフスキー旅宮殿訪問!(その2)

 さて、ペトロフスキー宮殿Петровский дворец/ Patrovskii dvoretsの見学当日となりました。


 集合場所は青い星の位置です。


 集合時間はツアー開始10分前。地下鉄ディナモДинамо/Dinamo駅、ペトロフスキー・パルクПетровский парк/Petrovsky park駅から徒歩10分弱で宮殿に着きます。地下鉄の出口にはサッカースタジアムがあります。これを背にして直進です。


  宮殿正面玄関を越えて宮殿を取り囲む壁に沿って進みます。すると1本目と2本目の塔の間にツアー用の入り口があります。ここで待っていると、集合時間が来ると警備員が中に通してくれ、一人一人名前をチェックしたあと、金属探知機を通って中に入ります。ウェブサイトでは身分証明書を持ってくるようにと案内されていましたが、当日は入館者リストで口頭にて名前を照合しただけでした。

 

 ガイドはモスクワ博物館の学術研究員でした。おかげで専門家の詳しい説明が聞け、濃密なツアーになりました。ほんの触りだけご紹介。


 ペトロフスキー旅宮殿は、エカテリーナ2世の命令で1780年に建てられました。もともとこの場所はヴィソコ・ペトロフスキー修道院(2016923日記事)の領地だったため、宮殿の名前は「ペトロフスキー」になったとのこと。しらなんだ。 

 「旅宮殿」の名の通り、この場所は皇帝がサンクトペテルブルグからモスクワへ行く途中で宿泊するために建てられたもの。エカテリーナ2世以降の皇帝は戴冠式のためモスクワに向かう道中、最後の晩にここに泊まったとのこと。

 

 1階部分は客人、2階は皇帝一家、3階は使用人の部屋だそうです。


 この宮殿には中央の庭園を囲むように、左右に比翼部分の建物が伸びています。建物に向かって右側が現在ホテルになっている部分。建築当時は調理場だったらしい。反対側は建物管理部の事務所。



 中に入ります。



 コートを預けて、モスクワ博物館の管理する展示室へ。1階に3部屋あり。



2か所ある大階段の一つ。宮殿のメインホールは2階にあります。壁のレリーフに描かれた果物は来客へのメッセージで、繁栄や豊かさを祈念しているそうです。


 2階の部屋はバンケットホールとして貸し出すことも。この建物はモスクワ市の迎賓館でもあるので、市長の執務室も用意してあるらしいです。ソビャニン市長はほとんどここに来ることはないそうですが。



メインホール。広すぎてカメラに収まりません。建物の外観写真の中央にある丸屋根の真下がここ。壁は途中まではレリーフ、天井はレリーフ風の絵になっています。



 1812年にはモスクワに遠征したナポレオン軍がこの宮殿に滞在したらしい。今では近代建築が増えてしまったためここからクレムリンは見えないのですが、当時はここからモスクワ中心部が見えたとのこと。宮殿の2階でモスクワ中心部側を向いた窓のある部屋をナポレオンは確保したと説明あり。



 宮殿の裏手の緑地帯はペトロフスキー公園Петровский парк/Petrovsky park。ここには19世紀半ばに裕福な人々がダーチャを建設し、最盛期には劇場まであったそうです。ですが、ソ連時代の都市開発でディナモ・スタジアムが作られたときにこの一帯の建物は取り壊されてしまったとのこと。


 VIPが迎賓館に泊まったり、ソビャニン市長がここに来たりするときには、ここにデスクを持って働いているモスクワ博物館の職員は出入り禁止になるみたいです。


 ツアーはこの部屋で最後。ですが特別に博物館の職員のオフィスを見せてくださいました。この階段を上って3階へ。元使用人の部屋というだけあって、天井が低いです。


 窓からの眺め。外から見た時と同じ形の窓です。内側の窓もベリーおしゃれ。


 久しぶりに出会った、内容の濃いとても面白いツアーでした。解説はロシア語だけのようですが、チャンスがある方はぜひどうぞ。なんとなくは分かるかと。いや、分からなくても楽しいですよ。

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