2019年9月6日金曜日

オストログ修道院訪問記(モンテネグロ編)

 ポドゴリツァPodgorica/ПодгорицаはモンテネグロЦрна Гора/Crna Goraの首都ですが、非常にゆったりしていました。代理店の皆さんも気さくでいい人たちでした。

 明日はとうとうモスクワへ戻るのですが、その前に郊外にあるオストログ修道院Манастир Острогへ足を伸ばしました。17世紀に建設された正教会の聖地で、断崖絶壁の壁面に白い修道院が収まっているという珍しいものです。
 

 さまざまな人の旅行ブログですでに紹介されていますが、ポドゴリツァからニクシッチНикшићへのバスで途中下車します。時刻表はこちらのサイト(https://busticket4.me/EN)で確認しました。

 特に停留所は設けられていないようですが、ドライバーにオストログと言っておくと最寄りの路上で停車してくれました。この停車位置から修道院までは10キロ。この先は徒歩か、客待ちをしているタクシーに乗るかです。しかし、この高さですよ。

 いい年なので体力的に無理はつらい。そしてこの日はすでに夕方です。修道院は20:00まで入場できますが、往路は17:45ポドゴリツァ発にぎりぎり乗れるかというところ。このバスはグーグルマップによると修道院の最寄りの位置に着くまでに40分はかかりそうです。それに、その先がさらに車で20分ほど。こうなったら修道院まではタクシーで行くしかありません。

 帰りの足も調べてみると、20:00ニクシッチ発21:00ポドゴリツァ着というのがある。ニクシッチからのバスが修道院の最寄りの自動車道を通りがかるのが20:17頃(グーグルマップの自動車での移動時間を参考)。その次の便は20:45ニクシッチ発なので、暗闇の中、車道に立つ羽目になってしまいます。流石にこれは何としても避けたい。怖いです。ポドゴリツァを17:45発、修道院着が概算で18:45、すると19:45までに修道院を出て20:05くらいには車道に着いてバスを待ち、21:00にポドゴリツァに戻ってこられるはず。

 そういうわけでバスターミナルの窓口でオストログ行きのチケットを購入。3ユーロでした。隣に券売機もあってカードで購入可能です。その後、待合室に居合わせた現地の若い女性からどこに行くのか聞かれたので、オストログ修道院と答えたら、「あそこはとても素晴らしい場所よ。エネルギーをもらえるのを感じたわ!」と。それはますます期待が高まります。

 17:45に出発しました。
 バスを降りるように言われたのがここです(実際の降車位置は写真右側の路肩です)。

 写真奥、看板の右下の位置にタクシーが停車していました。料金を聞くと片道10ユーロ、往復で20ユーロと言います。事前に調べたところでは、ここから往復25ユーロくらいが相場という話だったので、乗せてもらいました。

 道幅がかなり狭く、10キロの道程に25分ほどかかりました。しかしここも、どの方向を見ても景色がきれいです。コソヴォからポドゴリツァの道中の山並みも素晴らしかったですが、「モンテネグロ(黒い山)」という名前がぴったりの地域ですね。

 途中から徒歩で修道院へ向かう人々が増えてきました。このオストログ修道院は、山の上の方に上院、そこにたどり着く途中に下院があり、信者の方々は下院から歩いて上院へ行きます。この時間だと、修道院に到着するのはかなり遅くなりそうです。

 ありがたいことにドライバーは1時間待つと言ってくれ、こちらも帰りのバスを考えるといい頃合なので、急いで見学します。入場は無料です。

 門をくぐると、絨毯を借りてその上に寝転がっている人たちがたくさんいました。
 

 奥にさらに門があります。中央の門をくぐった先は撮影禁止になります。

 この断崖絶壁にどのようにして建設したのでしょうかね。教会内部は見学できる部屋がいくつかあり、修道院の上のバルコニーから下界を一望できます。ある部屋では修道士が聖職者の遺骸を開帳していました。17世紀にこの修道院を創立した聖ヴァシリエです。祈りを捧げるとさまざまな奇跡が起こると信じられていて、暗い部屋でろうそくの火が揺らめく中、信者の方々が床に頭をつき、遺骸にかがみこんで祈りを捧げていました。

 かなりの急ぎ足でしたが、戻ります。途中で展望台があり、ドライバーが気を利かせて立ち寄ってくれました。

 ここから修道院がまっすぐ見られます。

 それから、写真を撮っていて気づいたのですが、断崖を赤い列車が走っていました。修道院の下院の近くにニクシチと首都を結ぶ線の駅があるようです。遠目でしたが、ずいぶん新しいきれいな車両に見えました。ホントは乗ってみたかった。列車からも絶景が見られるのではないでしょうか。

 下山のときはすれ違う車も少なく、往路より早く戻ってくることができました。路肩でバスを待ちます。20:15過ぎ、ポドゴリツァと書かれたバスが来たので、手を振ってアピールして停まってもらいました。満員に近かったものの、座ることができました。あぶなかった。このバス、その後の路上で乗りたそうにしている人がいたのですが、素通りしていたので、暗がりでは気づいてもらえなかったかもしれません。

 21:00にポドゴリツァに着きました。バスターミナルの近所にある食堂Roštilj Jankovićで夕食をとって帰ります。


 バルカン半島ではよくあるひき肉グリルですが、塩味とスパイスのきき具合がちょうどよくおいしかったです。

 ビールもうまし。

 これにパンをつけて、トータル3.5ユーロほどでした。

 バルカン出張もあと1日。さっさと今日の報告書を仕上げねば……。しかしホントはこのまま旅をしていたい。



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