2019年9月25日水曜日

細密画の町、パレフへの旅(モスクワから列車とバスで)(ロシア編)細密画の町シリーズ①

 春先に訪れたものの、途中で筆が止まっていた記事をアップします。あの頃はまだ雪が残っていたなあ、しかしもう二ヶ月もしたら同じだよなあと、人の世の輪廻を思わずにはいられません。
 一応有名なんじゃないかと思いますが、ロシア土産には、木箱に細密画を施した塗り物があります。パレフ(アクセントをつけるとパーレフ。これまでパレーフだと思っていました)Палех/PalekhやムスチョラМстёра/Mstera、ホルイХолуй/Kholuiといった町で主に製作されているのですが、どこもそれぞれに美しい。各都市ともモスクワとニジニ・ノヴゴロドの間にあります(矢印の先はパレフ。その南にホルィ、更にその南にムスチョラがあります)。


 工芸品は全国的に販売されていて見慣れたものですが、町へ行ったことはなかったので、週末を使って行ってきました。
(博物館関係は営業日でも、訪問客が少ないと閉まっていることがありますので、事前に電話で問い合わせておくことをお勧めします!)

 モスクワから行きやすいルートは、イワノヴォИваново/Ivanovo経由でしょうか。一応モスクワ→パレフの直通夜行バスもあります。しかし、時間的に不便ですね。
 下は直行バスの時刻表。


 次はイワノヴォ経由の場合。モスクワ→イワノヴォの夜行列車は2種類です。

22:05発なら、睡眠時間が取れそうです。

 更にイワノヴォからパレフまでは頻繁にバスが出ています。


 復路のイワノヴォ→モスクワの列車。


 現地での時間をしっかり確保し、かつ最短で往復するため、モスクワ→イワノヴォを金曜日の夜行列車、イワノヴォ―パレフ往復をバス、イワノヴォ→モスクワを特急ラストチカЛасточкаにし、土曜日のうちに帰ってこようと思います。

 列車はモスクワのヤロスラヴリ駅Ярославский вокзалから出ます。22:05発で、05:02イワノヴォ着です。チケットは二等寝台で878.80ルーブルでした。予約時はかなり空席があり下段を取れたのですが、当日は途中下車する人も多く、だいぶ埋まっていました。

 早朝にイワノヴォに到着。駅前です。


イワノヴォ駅の鉄道時刻表。


 イワノヴォ駅とバスターミナルはバスで30分と離れています。バスの始発まで1時間半ほどあるのですが、駅舎は工事中で、待機できる場所も薄暗い待合室のみ。朝5時台に朝食をとれるところもありません。バスターミナルは24時間営業ということなので、思い切って移動することにしました。137ルーブルで、10分ほどで着きました。


 バスターミナル内。


 バスの時刻表。ウファやミンスク、ヤルタへも行けるようです。


 バスターミナルは、切符売り場は営業していますし待合室は人でいっぱいですが、食堂や売店は7:00営業開始です。パレフ行きのバスは頻繫にありますが、早く着いても困るので、9時台に現地着くらいがいいでしょう。

 7:25-9:10のイワノヴォ→ルフЛух/Lukh(シュヤШуя/Shuia経由)行きのバスに乗ればパレフも通りますので、チケットを購入しました。年季の入ったおじいさんバスですが…


 予定よりだいぶ早くパレフに着きました。バス停には券売所と待合室がありました。


 ここから発着するバスの時刻表はこちら。

 バスターミナルからまっすぐ進むと、教会や細密画家の家博物館、パレフ工芸博物館の並ぶ場所に着きます。

 その手前では朝市が立っていました。気づけばなにも食べずにここまで来てしまったので、お腹が空きましたが、残念ながらすぐに食べられそうな物はない様子。


 教会は開いていたので、入ることができました。1774年に建てられたクレストヴォズドヴィジェンスカヤ教会Крестовоздвиженская Церковь。


 パレフ工芸美術館。10:00の開館に合わせて入りました。


 細密画の有名なパレフ、ムスチョラ、ホルイとも、もともとロシア正教のイコンを製作していた地域でした。18世紀になるとパレフ特有の描き方が確立され、19世紀になるとイコン以外にも宗教とは関係のない民話や自然、人物などをモチーフにした、現代でよく見られる絵が描かれるようになります。

 写真はないのですが、かなり見ごたえのある展示でした。時間が許すなら、もっとじっくり見ていたかった。ですが、イワノヴォへ戻るバスに乗る前に、昼食を探さねば。

 美術館の近くにあるホテルの食堂に駆け込みました。野菜と豚肉のつぼ焼き、ジャルコエと紅茶で暖をとります。


 レストランの入っているホテルには売店もあり、なかなかの品ぞろえでした。ホテルの並びには数軒お土産屋があり、そのうちの一つは2階が小さな工房になっています。しかし国営の専門学校と工房は閉鎖されたそうで、図録に作品が掲載されるような職人でご存命の方は60~70代で、体力や視力が衰えて細かな絵を描くのが難しくなってきていますし、主にイコンなどの注文を受けて製作するのみなのだとか。

 バス停に戻る道すがらの木造住宅。どれも窓枠がレースのように美しいです。





 帰りのラストチカは19:04発です。到着は行きと違って、モスクワ・クルスク駅Курский вокзалに着きました。

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