2018年4月20日金曜日

Artplay訪問記(モスクワ)

 モスクワМоскваにはもともと70か所以上の工場がありましたが、ソ連崩壊後、経営の苦しくなった工場は操業を停止しました。そして資金を得るため建物の一部を倉庫や事務所として第三者に貸し出したため、老朽化しても整備せず、都市計画や環境の面で問題視されるようになります。1995年にモスクワ市政府は初めて工場の郊外への移転と、老朽化した施設の取り壊しと再建の必要性を認めました。

 例えば、クレムリンからモスクワ川を渡った対岸にある製菓工場「クラスヌィ・オクチャブリКрасный Октябрь(赤い10月)」からは、いつもチョコレートの甘い香りが漂っていたそうです。赤レンガ造りの趣きある建物で、一般客も売店で直売品を購入できたとのこと。それが閉鎖され、2007年にアート写真のギャラリーやアーティストの工房、瀟洒なカフェ・レストラン、おしゃれな雑誌の出版社などが入居する複合施設に姿を変えました。

(wikiより製菓工場時代の写真)

 ほかにも、2007年にはもともとワイン工場だった場所に現代美術センター「ヴィンザヴォドВинзавод」(ワイン工場の意)がオープンし、民間ではロシア最大規模の現代アートセンターとなっています。

(wikiより)

 実は、工場跡地をアートの場にする最初の試みは90年代から始まっていました。西側では工場跡地をアーティストが利用する例を知っていたロシア人芸術家たちが、90年代に元化粧品工場に入居してアトリエや展示スペースとして利用し始めます。Artplayという名前で呼ばれるようになったこのアート施設は、建物の取り壊しのため2008年に計測器工場の跡地に移転し、今に至ります。

 現在ここにはデザイン家具のショールーム、アート関連の書籍を扱う書店、カフェなど、小さな店舗が200ほど入っています。また現代アートの企画展が頻繁に開催されていて、いまはフロイトをテーマにしたデジタルアート展や、ロシア人現代アーティスト絵画の個展、国際映画祭にも出品された高画質映像のインスタレーションが公開されています。ほかにも、映画監督による講演があったり、コンサートをしたりと、若い人々を中心とした文化の拠点のひとつになっています。

 今回はここで手作り作家のマーケットがあると聞いて行ってきました。
ロシアに長くいると、お土産にも困るんですよ。だいたいいつも同じメーカーのチョコレートになってしまいがちなので、たまには目新しいものを発見したいものです。

 最寄り駅はメトロのクルスカヤКурская/チカロフスカヤЧкаловская駅で、チカロフスカヤの出口が近いです。路面電車で2駅ですが、歩いても15分ほどです。



 路線に沿って歩いていくと、こんな目印が。



 この場所には、1886年にフョードル・ガケンタリが計測器や銅を鋳造する工場を建設。10月革命後に国営化され、ソ連最大の計測器の生産地となったとのこと。
 現在は、こんなふうです。


 今回は4 Seasonsというハンドクラフトアーティストによるマーケットへ
 こちらは手作りのローフードを扱う店。キャンディのように梱包されているのは、デーツをベースに、リンゴやアプリコット、ベリーなどを練りこんだ砂糖不使用のお菓子。
中段の袋入りや、下段の平置きはドライフルーツやナッツですが、ドライトマトがおいしかった!


 カラフルな瓶に入っているのはハチミツ。各種ベリー入りのほか、オレンジやレモン&ジンジャー、ピスタチオ、ラベンダー入りなども。


 これは見た目も味もよく、日本では見たことがないので、最近訪露したお客さんもお土産にしていた一品。スーパーでも、ここまで種類豊富ではないものの、3~4種類は置いています。小瓶もあるので、プレゼントならそちらの方がいいかも。

 この日はパスハだったので、卵型のこんなものが。隣にいる青年がちょこちょこ書き足していました。


 ほかにも服や鞄、中国茶、コーヒー、文房具、彫金、木材加工品や、アクセサリー、ソ連時代のバッジなど、さまざまなものがありました。
 中には、


 ネコバス!
 ロシアでもたまに見かけます。


 たまにはこんな休日もいいでしょう。

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