過去の旅の放出シリーズ(昨年秋)です。編集のために改めて写真を見てみると、コロナ前シリーズなので、なんだか今と全てが異なっていますね。
閑話休題。以前から行き方は調べていたものの、なかなか訪問する機会に巡り合えなかったムーロムМуром/Muromへ行ってきました。原初年代記によると、862年にすでにムーロムの存在が記録されていて、ロシアの古都の一つに数えられます。まあ川沿いなので集落があったとは思うのですが、記録されるほどだったかは正直疑問あり(こうやの主観)。
この町の訪問は一筋縄ではいきません。モスクワから行くと所要時間や到着時間が微妙なのです。モスクワ・カザン駅23:59発、ムーロム05:12着の列車が一番利用しやすいでしょうか。しかし、ほとんど眠れなさそうです。しかも冬なので、明るくなるまでかなり待たねばなりません。
それから、鉄道駅は町の中心部から徒歩40分ほどの距離にあります。見どころの多い中心部に出るにはバスに乗るか、近郊列車で1駅先のゴロツカヤГородскаяへ行って20分ほど歩かねばなりません。バスは朝、早過ぎてまだ走っていません。ただ、本数は多くないものの近郊電車があり、始発が5:48-5:52なので、駅舎でひたすら待機するよりは時間を有効活用できるはず!
市内には24時間営業の食事処はないようです(泣)が、8:00になれば数軒カフェが営業開始するようです。古い教会や修道院もたくさんあることですし、どれも中心部に固まっていて徒歩圏なので、最大2時間ほど歩き回っていれば、その後、朝ご飯にはありつける、という計画。
なお、復路はムーロム18:38発、モスクワ・カザン駅23:12着があります。これなら悪くありません。
というわけで、モスクワを出発します。夜行列車の三等寝台でしたが、電源が全席にあるわけではないので、この時は充電がしにくくて困りました。
ほとんど眠れないままムーロムに到着。眠くて寒くて真っ暗。
すぐに近郊列車のチケットを購入。本来28Rですが、なぜか(?)割引されて17Rを支払いました。こちらは近郊列車の時刻表。
こちらは長距離列車の時刻表。
ゴロツカヤ駅に到着。プラットフォームは真っ暗。町の中心部へ行くには、写真右側の歩道橋を超えるのですが、そこに出るまで見通しが悪くて怖すぎ。寒すぎてほとんど人がいなかったことが救いだったかもしれません。ちなみにこの日は-7℃でした。
歩道橋を渡ってずっと直進していくと中心部に出ます。街中はどこも街灯が明るく、ここまで来ると安心です。
なお、路上にムーロム名物のカラチМуромский калачというパンの記念碑がありました(Wikiロシア語版)。
さっそく教会群を見て回ります。凍えないように、できるだけ早足で歩きます。
目抜き通りの教会。
白い壁に囲まれたブラゴヴェシェンスキー修道院。1553年にイワン雷帝により設立。
こちらはブラゴヴェシェンスキー修道院内の聖生神女福音聖堂。
トロイツキー女子修道院と聖フョードルと聖フェヴロニヤ像。1540年代に書かれた「ムーロムのフョードルとフェヴロニヤの物語」に登場する聖人です。
7:00くらいまでは路上を歩き回っていましたが、さすがにかなり寒い。ブラゴヴェシェンスキー修道院が7:00、トロイツキー女子修道院が6:30から聖堂と売店を開くので、ここに避難すると暖がとれます。修道院の食堂は8:00から開くようです。目抜き通りにも8:00から営業するカフェが数軒あります。
体も温まったところで、ムーロムで一番大きな修道院へ向かいます。
救世主顕栄男子修道院。1096年に最初の記録があります。聖グレプ(ボリスとグレプの)が建てたとする伝承あり。
この修道院では町名物のカラチを売っていました。しかし名物というからにはもっといろいろな場所にあるかと思いきや、ここでしか見かけませんでした。地元の人に聞いたところ、夏場はもっと多くの店頭で売っているとのこと。
ブラゴヴェシェンスキー修道院に戻り、ここで昼食を食べることにしました。
ランチセットを頼みます。値段は失念しましたがお手頃でした。待ち時間が短く、味もあっさり。
そしてムーロムに来たからには、あの人に会わねば。オカ川沿いの道を進みます。しかし、地図に表示されていたとはいえ、これは公道なんだろうか。
オカ川のほとりに立つイリヤ・ムーロメツ。ロシアの民話に出てくる英雄です。
鉄道駅までの道中、プリャニク博物館というのがありました。
レトロなティータイム。ソ連時代の内装を再現しています。
ここではプリャニク作り体験教室を開いています。完成品をお土産に購入することもできます。
こんな超大作も。一見ではプリャニクとは思えません。
夕暮れ前に鉄道駅へ。一日中、寒さとの戦いでした。ムーロム18:38発の列車は乗車率高し。なかなか厳しい。
深夜、カザン駅に到着。早く熱い風呂に入りたい。
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