2020年10月10日土曜日

ヴァラームへの旅(モスクワから列車とバスと船で)①(計画編)

 実は一月ほど前にラドガ湖Ладжское озеро/Ladzhskoe ozeroのヴァラームВалаам/Valaam島にいってきましたのでその報告を。


 8月は僕の周囲で夏休みをとる人がぼちぼちいました。しかも新型コロナの新規感染者数がまだ結構多いにもかかわらず旅行へ出かける人も。それを見ていて、旅心を刺激されました。しかし正直なところ、長距離移動には不安が伴いました。その一方、日本のGo Toキャンペーンでは1か月で556万人が利用し、感染が確認された人は6人だとか。確認できていない事例もありそうですが、いずれにしてもこれだけ感染者が少ないのは、旅行した皆さんが衛生面に気をつけたり接触の機会を減らしたりするなど努力した成果でしょう。では、できるだけ安全に旅をする前提でモスクワからほかの都市へ行けないかと考えてみました。
 安全対策の参考にしたのは、鎌田實医師のブログで紹介されていた長野日報のこちらの記事です。



 この時に気になったのはラドガ湖に浮かぶヴァラーム島。ここにも有名な修道院があります。設立された時期は10~15世紀と諸説ありますが、現役の教会は19世紀以降に建てられたものが多いようです。
 ここに行く場合、まずモスクワからサンクトペテルブルグに出て、そこからラドガ湖のほとりにあるプリオゼルスクПриозерск/Priozerskへ移動し、フェリーに乗って島へ渡るルートがあります(青ライン)。またはサンクトペテルブルグからラストチカで4時間北にあるソルタヴァラСортавала/Sortavalaへ行き、ここからフェリーに乗るという手もあります(赤ライン)。



 プリオゼルスクからヴァラーム島への出港時間は9:30と11:00、ソルタヴァラの出港時間は9:00と11:00です。いずれも団体ツアーがこの船に合わせてやってくるので、空席があれば個人でも乗船できるそうです。
 ところで、今回リサーチしていたところ、ヴァラーム島は現在新型コロナウイルス対策の一環で、団体ツアーは受け入れるものの、個人客は入域できないという情報がありました。仕方ありません。個人で来る客の場合、島内でキャンプする人もいるようですし、動きを管理しきれないからかもしれません。
 ヴァラームへの1日ツアーを探すと、お勧めは2泊のプランのようです。サンクトペテルブルグ発がツアーの数が多いです。ペテルブルグを夜に出発し船中泊し、朝にヴァラームに着いて終日観光し、夜に再び乗船して翌日朝にペテルブルグに戻ってくるというもの。まる1日島に滞在できます。
 移動込みで1日で終わるツアーもあります。8:00にペテルブルグ市内北部の地下鉄オゼルキ駅から出発し、プリオゼルスクの港から11:00発のフェリーに乗ってヴァラームへ。そしてペテルブルグに22:00~23:00に戻ってきます。島の滞在時間は5時間ほどです。これもいいですね。
 それからプリオゼルスクとソルタヴァラからフェリーは出ていますが、ペテルブルグからはプリオゼルスクの方が近くて移動時間も短く、ツアーの本数も多そうです。今年は新型コロナのせいで催行を中止した旅行会社もあるようなので、元々の催行数の多いプリオゼルスクからのルートを検索。
 ツアーを探すと、ほとんどがサンクトペテルブルグで集合・解散です。プリオゼルスクの港に集合し、そこから船に乗るツアーも少ないながらありました。ですが基本的にサンクトペテルブルグから団体がバスでやってきて、プリオゼルスクでさらに一部のツーリストを拾って島へ渡るというもののようです。複数の旅行会社に問い合わせてみたところ、決行の1週間前までに予約を入れてほしいということでした。
 プリオゼルスクから合流すると4500R、サンクトペテルブルグからだと6500R。フェリーが定刻通りに動けば、サンクトペテルブルグ-プリオゼルスク間を近郊列車にしてもいいでしょう。間に合う時間帯の電車だと、

往路 サンクトペテルブルグ、フィンランド駅発07:27-10:05プリオゼルスク着
復路 プリオゼルスク発20:44-23:33フィンランド駅着
片道360R

 ここで、とあるツアー会社のHPに「天候のため、集合・解散には3時間の余裕を見てください」という注意書きを発見。湖が荒れると船が出なくなります。波が静まるまで待機する可能性も十分あります。それを考えると、プリオゼルスクに宿泊するのでなければ、バスでペテルブルグまで行ってしまった方がいいかもしれません。
 さて、次はモスクワ-サンクトペテルブルグ間の移動です。移動時間ができるだけ短く、密を避けられる方法がいいですね。移動時間が短いといえば飛行機。複数の航空会社が乗り入れていますが、預け荷物無しだと、一番安いポヴェダ航空Поведаで片道1500R、アエロフロートなら4000Rくらいです。すぐ隣の席が埋まっていたとしても、機内ではマスク着用義務がありますし、1時間半の移動中全員がこれを守れば安全性は比較的高いと思われます。



 列車ならサプサンです。移動時間は4時間ほど。チケットは売れ行きによって値段が変動するので、空席が減ると残りの席は高くなります。時間帯によりますが、エコノミークラスの片道で安くて2500Rくらい、高いと4000R以上します。出張で利用する人も多いので、おしゃべりしている人は少ないイメージ。
 いつもお世話になっている夜行列車は、その点不安がありますねえ。今は長距離列車の座席指定制限(4月24日記事)がなくなったので、満席になるとソーシャル・ディスタンスの確保はできそうにありません。寝ている間を含めて、全員がマスク着用義務を守るかどうかも分かりません。
 ところで、ロシア鉄道の空席状況を見ていると、モスクワ-サンクトペテルブルグ間の夜行列車はプラツカルトの設定が少なく、クペかそれ以上のクラスばかりなのですよね。クペはプラツカルト以上に密集しそうなので怖いなあと思っていましたが、曜日や時間帯によりますが、利用者が少なく車両内に乗客がほとんどいない列車があるようです。


 まあ、例年なら観光シーズン真っただ中の夜行列車は団体ツアー客でいっぱいだったわけで、ロシア人だけではそこまで埋まらないのでしょう。まだ長距離移動を敬遠している人たちもたくさんいます。これなら、タイミングが合えば一人でクペを占領するということもできそうです。
 それから、夜行列車を利用するならヴァラームツアーの前後にサンクトペテルブルグでホテル泊をする必要がなくなります。ただ、ホテル宿泊は感染リスクが低いので、例えば飛行機やサプサンで移動してホテルに泊まり、翌日ツアーに参加するのも低リスクでしょう。
 僕の周りでは飛行機とサプサンの利用者がいました。さて、どれを選びますかねえ。

0 件のコメント:

コメントを投稿

ジョージア編 トビリシの公共交通機関

・公共交通機関 トビリシではメトロカードというチャージ式カードが使われています。この1枚で地下鉄、バス、マルシルートカ、ケーブルカーに乗車できます。90分以内の乗り継ぎは無料です。 地下鉄駅にこのような切符売り場があるので、ここで購入します。 カード自体は2GELで、そこにさらに...