2020年9月19日土曜日

サンドゥヌィのバーニャ②(実践編)

 ツアーを予約して1週間。ついに催行日を迎えました。1808年に設立されて以来、今まで営業を続ける公衆浴場です。










 ボリショイ劇場と地下鉄トゥルブナヤ駅трубная/trubnaiaの中間にあります。












 地下鉄トゥルブナヤ駅の構内で集合します。リストを持ったガイドらしき男性が中央に立っていて、次第に参加者が集まってきて、点呼が始まりました。いない人には電話をかけ、全員集合したら、歩いてバーニャに向かいます。









 サンドゥヌィСандуны/Sandunyの施設は複数の建物に入っていて、それぞれに入り口があります。ツアーで見られるのは豪華絢爛な内装の男性用の棟。


 








 入り口を入って2階へ。
















 豪華な待合室。










 この建物はエカテリーナ2世Екатерина II/Ekaterina IIの劇場に所属する俳優のシーラ・サンドゥノフСила Сандунов/Sila Sandunovとエリザヴェータ・ウラノワЕлизавета Уранова/Elizaveta Uranova夫妻が建てたものです。当初は集合住宅と商店にする予定でしたが、考えを変えてバーニャを作ることに。バーニャは年々人気を増して繁盛しました。しかし多額の資産を費やした妻のエリザヴェータは、夫が有名なためにバーニャが成功したと思われていたことに不満を感じるようになります。こうして夫婦は離婚し、バーニャはエリザヴェータの所有物に。しかしその名称は元々の「サンドゥヌィ」を継承することになりました。
















 バーニャは大衆用の部屋と個室があり、どの部屋もバロック、ロココ、ルネサンス、ゴシック、古典主義、工業スタイルなどさまざまな様式の内装になっています。内装に使用される材料はノルウェーやイタリア、イギリス、ドイツ、スイスなどヨーロッパ各地から運ばれてきたもの。

 貸し切りで利用できる部屋。
















 ここは相席の休憩室。お茶や軽食をとることができます。この革張りソファとこげ茶の天井、まるで英国のバーのようです。











 カーテンのかかっているところは小部屋になっていて、個室として利用できます。人気があるのですぐに埋まってしまうんだとか。










 常連の著名人たち。俳優や格闘家が多いみたいですが、中にはフィギュアスケートのプリュシェンコ(プルシェンコ)Плюшенко/Pliushenko選手も。










 この部屋にはシャワーと冷水を浴びる設備があります。写真奥の壁に木桶がセットされていますが、紐が下がっていて、引っ張ると中の冷水を頭から浴びることができます。昔のお笑い番組によくあったやつみたいです。



 







 この部屋の奥にサウナ室があり、体が温まって暑くなったらここに戻り、水を浴びます。










 右奥に金属プレートの付いた席があります。ここは詩人マヤコフスキーМаяковский/Maiakovskiiが訪れた時必ず座っていた席。感染症を恐れていた彼は、決まった席にしか座らなかったのだとか。










 こんな屋内プールもあります。飛び込み厳禁。飛び込んだ客は出禁になるそうですよ!










 このプールはエイゼンシュテイン監督Эйзенштейн/Eizenshteinの「戦艦ポチョムキンБроненосец «Потёмкин»/Bronenosets Potemkin」の海のシーンの撮影に使われたそうです。船の模型を浮かべ、色水を流して海に見立てたとか。


 だいたい2時間ほどでツアーは終了。最後に希望者は売店でグッズを購入できます。















 多くの映画やドラマの舞台になってきたサンドゥヌィ。久しぶりにまた映画を観てみようかな。


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