2025年4月28日月曜日

パスハ前の土産市場

 

アップし忘れていました。パスハまであと1週間というところで土産市場に行ったところ、季節柄か、そういう柄のグッズが大量に登場していました。毎年のことですが、ホントに祭です。

これはイコンと、イコンの描かれた卵。

こちらは花柄がたくさん。


こちらも量産品。店のおっちゃんは「全部手書きだよ」と言っていましたが、数種類の柄が大量にあったので、本当に手作業だったらものすごくつらそうだなあ。イコンもありますが、教会や民家、中には猫の絵も。

2025年4月26日土曜日

先日、某地方に出張した際のこと

夜中にスマホが鳴ったので何事かと思いきや、非常事態省からのお知らせのSMSでした。「無人機攻撃に注意!」とのこと。


非常事態省からのお知らせは、強風とか豪雨といった災害の危険があるときに届くのですが、無人機攻撃でも警報が来るのですね。

 

モスクワでもたまに無人機攻撃があるものの、非常事態省からのお知らせが来たことはなく、いつも朝のニュースで事後に知るという形だったので、地方によるのかもしれません。モスクワでこのような警報が発信されたら混乱しそうですし。


 

2025年4月24日木曜日

民族友好大学構内の多国籍料理

 

制裁下でもモスクワだと多国籍料理のレストランが数多くあり、羽振り良さげなのですが、多民族料理の食堂が集中しているエリアと言えば、民族友好大学Университет дружбы народов/Peoples’ Friendship Universityです。昔からありますし、かつてはエキゾチックな料理を食べ歩くツアーを見かけたこともあったのでご存じの諸兄姉も多いかと。近年、モスクワ地下鉄が拡張された結果、この大学から徒歩10分ほどのところに新駅がオープンし、だいぶアクセスしやすくなりました。学生や大学関係者でなくても入れます。ちょうどこの辺で用事があったので立ち寄りました。


食堂は上の地図の赤い矢印の間にあります。青丸で表示されているのが食事処。敷地内の少し奥の方にある食堂もありますが、この大通りに面しているカフェやテイクアウトのキオスクもあります。


上のエリアの一部ですが、拡大するとこんな感じ。各レストランの提供する料理は、ヤンデックスによるとおおよそ書き込みの通りですが、違っていたらご容赦ください。中華やインド料理など一つの国籍の料理だけ出す店よりも、ピザやシャシリクなどよくある料理も取り合わせている店が多いようです。あと、レバノン料理がずいぶんあります。

駅から歩いている間に見かけたのは、学生らしき若者たちばかりでした。外国人とロシア人の割合も半々、あるいは6:4くらいと、相当高いです。しかも中央アジア出身者よりも、アフリカや中東、あるいは中国出身とみられる人々ばかりです。

大通りに面した店はこんな感じです。このあと学生さんが向かいのキャンパスから出てきてこの辺りに集まっており、大人気のようでした。


僕は某所で口コミを読んだこちらのカフェに入ってみました。

店内の様子。


この店はインドカレーやガパオライス、メキシカンタコスなどいろんな国の料理があります。この日はペルー料理から無難そうな一皿をば。
しかし、コメとイモが多くて炭水化物を摂りすぎです。サラダを頼むべきでしたが、時すでに遅し。

 

商業施設「モスクワ」等と比べれば、地下鉄が隣接しているのでマシですが、ここもなかなか遠いなあ。手っ取り早く多国籍料理を楽しみたい場合、ダニーロフスキー市場やツヴェトノイ・ブリヴァールにある中央市場、グム百貨店裏のヴォクルグ・スヴェタВокруг света/ Vokrug Svetaなどのフードコートが一番楽ですな。


「外国人学生の皆さん!ロシア留学はこれまでにないほど簡単になりました!」とのこと。




2025年4月23日水曜日

モスクワのバスターミナルにて

 


先日、とある長距離バスターミナルに行ったところ、こんなバスが停まっていました。見てはいけないモノを見た気分。


モスクワ―マリウポリですよ。スーツケースが大きなボストンバッグを持った乗客が相当数いました。この後も続々人が乗車していました。迷彩服の兵士も混ざっています。

 

もしかすると、方向的にロストフ・ナ・ドヌーを経由するかもしれないので、だとするとそこで何割かが下車するかもしれません。しかし、マリウポリ行きに乗るわけですから、終点まで行く人もいるでしょう。一体、現在の国境はどうなっているんだろう。本当に完全にロシア国内扱いで、ノーチェックなんだろうか。

2025年4月21日月曜日

ロシア鉄道アプリが戦勝記念日デザインに

ロシア鉄道アプリの画面を開いたら、新デザインになっていました。

戦勝記念日のデザインです。

 

去年までは特に戦勝記念日の柄にするといったことはなかったような。季節ごとにときどき変わっていましたが。

 

今年は終戦80年。加えて習国家主席や北の将軍様など例年にない「特別ゲスト」が来る可能性が報じられているので、この時期の中心部は厳戒態勢になりそうです。


2025年4月19日土曜日

パスハ2025

街中ではだいぶ各店舗にクリーチ(*復活祭を祝う際に食すケーキ)が出そろいました。今年見かけたクリーチ各種です。


ここはパイ(ピローグПирог)の専門店、シュトーレ(Штолле)。ナッツやドライフルーツてんこもり。

こちらは某巨大スーパーマーケットにて。


売り場には大量に平積みされていました。ディスプレイに使用されていたものも、右端の段ボール箱に大量に入っていました。商業主義化。



チョコレート屋のクリーチ。今年は売り切れ前に出会えました。


ヴォルコンスキー。中央の黄色とオレンジの飾りはスライムのよう。よく見ると顔まで描かれているし。


これはパン屋のフレブ・ナスシヌイ(Хлеб насущный/ Hleb Nasushny)にて。これ一つしかなかったので、ディスプレイ用の食玩かも。


クリーチほど多彩ではありませんが、パスハも見かけたので、写真をば。

これはフクスヴィル。正しい形状のものは500g。今年はもっと小さいサイズのを見かけたので確保しました。

これ、かつてはスーパー等で売っている料理ではなく、自作しなければ食べられないものでした。自作するにも、数日がかりで水抜きしないといかんのと、そんなにたくさん食べられれないのです。重すぎなのですよ。そんなわけで、フクスヴィルで少量を販売しているのはありがたい。実際に食べてみると、味はおいしいのですが、やはり一度に完食はできず。

 

こちらは別のスーパーにあったパスハ。これは今年初めて見ました。



おまけ。地下鉄にもパスハの装飾が。


 

2025年4月15日火曜日

パスハを前に

今年(2025年)のパスハは420日です。

この日に食べるクリーチが店頭に並び始めました。


ねこやなぎもありました。路上では時折売っていますが、スーパーにもあったのか。


2025年4月11日金曜日

エコな水素電車の運行

ロシア鉄道(РЖД)が2026年に水素燃料による初の列車を運行開始するとのこと。サハリンおよびロシアのその他いくつかの地域における近郊輸送で使われるらしい。

水素列車の開発プロジェクトは、ТМХ(トランスマッシュホールディング)との共同で実施されている。ロシア鉄道によれば、最初の2編成の列車はすでに来年にも運用開始が可能。これらの列車は、環境汚染のレベルを大幅に削減することが可能であり、持続可能な交通の未来に向けた重要な一歩とのことまで発表されています。(https://www.ferra.ru/?utm_medium=source&utm_source=rtravel より)

「こんな時期」のロシアでもそういうのが進んでいるのですね。В РЖД анонсировали выпуск первых поездов на водородном топливе

2025年4月10日木曜日

商業施設「サドヴォド」

以前ご紹介した商業施設「モスクワ」の近くに、「サドヴォドСадовод/Sadovod」という瓜二つの商業施設、つまり「怪しい」施設があります。おおよそ同じような市場なのでこれまで取り上げていませんでしたが、先日行く機会があったので、写真だけでも。

場所はこちら。「モスクワ」との間には無料送迎バスが運行しています。地下鉄リュブリノЛюблино/Lyublino駅からは「モスクワ」と「サドヴォド」、さらにМКАДを超えてすぐの「ベーラヤ・ダーチャБелая дача/Belaya dacha」へ無料送迎バスが運行されています。

 

下はサドヴォドの駐車場にあった会場図です。これによると、リュブリノのほかにもノヴォコシノНовокосино/Novokosino駅とヴィヒノВыхино/Vykhino駅へも無料送迎バスがあるようです。それにしても、敷地が広く、バス停が点在しているので分かりにくい……

図の赤と水色の建物は、「モスクワ」と同様、とても広く明るく、衣料品や雑貨類を中心とした店舗がぎっしり入っています。オレンジのエリアに出ると、屋根はかかっていますが完全に外気温で冬は寒いです。ここも主として衣料品売り場で、たまに食堂やトイレあり。


来るたびに軍用品の店が増えているような気がする。


さて、今回の目的地はアジア系食材店です。会場図の左上、青緑のエリアの中にあります。Птичий рынокとあるので生き物や餌などを売っているエリアなのですが、なぜかその一角が食品売り場になっています。


アジア圏からの輸入食材以外にも、おそらく中央アジアからの輸入品と思われる食品あり。


乾物や缶詰、菓子、お茶などの店を抜けていくと、生鮮食品を置いている店舗が出てきます。数はそんなに多くないのですが、こんな店頭をじっと見ていくと、生のもやしやオクラ、レモングラスなどを置いているコーナーがあります。時期によって置いているものには変化があり、いつぞやは山芋か、極太のごぼうのようなものも見かけました。このときは一口サイズの白ナスの大袋や、ぬか床にしか見えないビニール袋入りのペーストがありました。何だったんだろう……


この日は大量の生のオクラを入手。本当はこんなにたくさん要らないのですが、最近は中心部のアジア系食材店で見かけなくなってしまったのですよ。

 

ついでに、ほかの食材店舗でドライマンゴーを購入。これはモスクワのスーパーでどこでも売っているベトナム産ですが、スーパーの半額程度で買えます。

 

ここにいると館内放送で「中国からの物流の相談に乗ります」といった宣伝が流れています。中央アジアとの送金システムの広告も貼ってありました。この市場にいると、目に見えるところにあるのは衣料品や食品がメインですが、ルートさえあればほかの製品も紛れ込ませることができそう。制裁逃れはこうやって成立しているのでしょう。

2025年4月5日土曜日

モスクワ郊外の古儀式派教会

モスクワから南東東に2時間ほど行ったところに、エゴリエフスクЕгорьевск/Egor'evskという小さな町があります。そことモスクワとの間には、白地にコバルトブルーの陶磁器で有名なグジェリГжель/Gzhel'があります。


グジェリからエゴリエフスクまでの一帯は大きな町はなく林や沼が広がっているのですが、このあたりの集落には古儀式派教会が今も残っているとのこと。17世紀の宗教改革で迫害された人々が逃げて、ひっそりと暮らしていた定住地の一つ。この辺り一帯はグースリツィГуслицы、この辺の住民はグスリャキГуслякиと呼ばれ、古儀式派信者が多かったことからいつしかこの地域の古儀式派信者を指してグスリャキというようになったそうです。

古儀式派教会はモスクワにも、プレオブラジェンスキー修道院(Преображенский монастырь/Preobrazhensky Old Believers Monastery)やロゴシスコエ(ロゴシ)古儀式派共同体(Рогожская Старообрядческая Община/ Rogozhsky Old-Believers Settlement、といった有名どころがありますが、部外者は歓迎されていない感じがすることがあるのですよねえ。ましてや、エゴリエフスクなら街歩きを兼ねて教会の外観を見るくらいならできるかもしれませんが、途中の小さな村は、そもそもアクセスが難しそうです。

 

こんなときは、グループツアーに入り込むのが得策。ということで某日、行ってきました。


グジェリを通過。


この辺まではダーチャや一軒家エリアが散見されます。


そこを過ぎると、このような森林地帯になります。「モスクワ郊外のタイガ」とのこと。

因みに、グジェリは良質の土が採れるので陶磁器という産業がありますが、この辺まで来るともうそのような土は出ないそうです。貧しい土地でできる産業といえば手工芸。ということで、ここに逃げてきた古儀式派の人々は銅の鋳造を手掛けました。鋳造のイコンもここで作られています。また、古儀式派の書物は印刷所で刷ることができなかったため、手書きの写本が作られ続けました。教会でこのあたりも見せてもらえるとのこと、楽しみだなあ。


一か所目はウスチヤノヴォ村(с.Устьяново/Ust'yanovo)の聖ニコライ教会(Никольская церковь/Old Believer Church of Saint Nicholas the Wonderworker)。


ここの教会は内部の撮影が禁止されていました。そのため外観のみ掲載します。

 

入る前に、厳重注意がありました。「絶対に3本指で十字を切らないように」とのこと。17世紀にニコン総主教が改革を実施したとき、儀式のやり方をギリシャ式に変更しているのですが(奉神礼改革)、その一つが、それまで2本指で十字を切っていたのを、3本指で切るようにしたことです。「彼らはこれに命を懸けたので、それだけは絶対にしないように。私たちはあくまで客としてお邪魔させていただくのです」とガイド氏。迷惑行動にならないよう、気を付けて入ります。


二か所目はシュヴォエ村(пШувое/Shuvoeの三位一体教会Троицкая церковь/Trinity Church)。

ここも内部の撮影は禁止なのですが、写本の実物を見せていただくことができ、本だけは写真を撮っていいとのこと。ご厚意に感謝して、パチリ。

これはズナメニ音符記号で書かれた楽譜。クリュク(鉤、Крюк/Kryuk)と呼ばれる記号で音の長さや高さを表記しています。ガイド氏曰く、100種類ほどあるとのこと。


この写本の表紙は木の板に革張りで、細かな模様が入っています。向かって左側が裏表紙ですが、鋲を打ってあり、表紙が直に接地しないよう工夫されています。


その下にパッチワークの、薄っぺらな座布団のようなものが掛けてありますが、これは祈りを捧げるときに使います。実演してもらったのですが、土足の床の上にこれを敷き、膝を床につき、この座布団の上に両手と額をつけ、再び立ち上がります。かなりの全身運動です。高齢者など、この一連の動作をできない人もいるので、その場合はテーブルや高さのある台にこれを置いて、そこに頭をつけてお祈りをしてもいいとのこと。


三か所目はルィジェヴォ村(сРыжево/Ryzhevoのヴヴェデンスカヤ生神女進堂教会Введенская  церковь/Vvedeniya Presvyatoy Bogoroditsy vo Khram Church)。奥に見えるのは司祭の居住用の建物。


同じ敷地内に、日曜学校(右)と洗礼盤のある建物(左)も。

 この教会は司祭自ら僕たち客を迎えてくれました。この教会はロシア文化省の支援を得ているとのこと。しかし連邦レベルだと修繕するにもとにかく時間がかかるとか。

 


ところで、この教会ではワインを作っていて、教会の裏に醸造所がありました。快く見せてくださいました。この教会では5種類のワインを作っているそうです。

原料となるブドウはクラスノダール地方から取り寄せているとのこと。


なかなか本格的な設備がそろっています。


これは1月にボトリングした白ワイン。


ロシア正教の儀式で使う赤ワイン、カゴール。

これだけ全員試飲させてもらいました。これは3年醸造したもので、色が深く、ガツンと甘いです。よく見ると、アルコール度数は16度なんですね。胃袋に沁みました。11000R也。

なお、この教会、経営がずいぶんすごいと思っていたら、なんとこの司祭は調理とマネジメントの二つの学位を取得し、しかも一つはアメリカでとったのだとか。そしてアメリカで稼いだお金をここの発展に使ったのだそうです。「ロシアじゃそんなに稼げないのでね」との弁。


現在作っているワインとパンに続いて、次はチーズに挑戦しようとしているそうです。ですが牛乳の調達が問題らしく、「水で薄めた牛乳を持ってくるんだよ。検査機で調べたら、水ばっかりだ」。さらには、新たに17ヘクタールの土地を買ったので、これから農地にするそうです。宗教家というより起業家のよう。その経営能力や発想、見習いたいものです。

 

思えば、19世紀のモスクワの大物実業家には古儀式派信者が多いです。エルミタージュ美術館やプーシキン美術館の1920世紀コレクションの元を作ったシューキンやモロゾフ、ゴーリキーの家博物館となっているアール・ヌーヴォー建築を注文したリャブシンスキーなどなど。酒を飲まないとか、騙さないとか、いい加減な仕事をせず労働に励むといった教義上のルールが、高品質で人から信頼されるよい仕事をするのに相当にマッチしたのでしょう。

 


さて、四か所目は、エゴリエフスクのゲオルギー教会(храм Георгия Победоносца/ Temple of St. George the Victorious)。ここは外観のみしか見られず。

最後に、エゴリエフスク郷土博物館収蔵の古儀式派の写本。


こちらの楽譜は自動再生付きで、聖歌隊の歌声で聞くことができます。


ほかの教会も回ったため、モスクワに着いた頃にはすっかり夜になっていました。

 

2. シトラ Ситора/ Sitora

次に紹介するのはシトラ。地下鉄ソコルСокол/Sokolから徒歩3分、営業時間9:00~23:00 ソコル駅の 6 番出口を出て道路を 1 本渡るとすぐです。その途中にも1軒、別のチャイハナがあります。 店内に入るとソファの席が並んでいます。お昼どきには満席になりますが、隣の席...