2018年5月12日土曜日

スターラヤ・ルッサへの旅4(保養所編)

 ここスターラヤ・ルッサに暮らす人々は、なぜか風邪もひかず病気にもならないと言われていたとのこと。18世紀になると、この土地で取れる鉱水や泥が健康にいいとして保養所が建てられました。最初はペテルブルグの中流貴族らが来ていましたが、評判が広まると皇帝や上流クラスが訪れるようになりました。ドストエフスキーや作曲家のラフマニノフも滞在したことがあるらしい。ドストエフスキーの場合、保養所での療養というよりも、都会を離れて賭博熱を冷ますことが目的でしたが。
 入り口はこちらです。



 実際に湧き上がる鉱水。高さは最大8メートルにもなるそうです。



 ここに保養所ができたときは、このような外郭を泉にかぶせていましたとのこと。第二次世界大戦中に保養所が破壊され、戦後再建された時にこれも復元されましたが、今はまた外されています。泉の水が空中で自然に振りまかれるのが、周りの緑に良いのだとか。



 戦前の写真を展示していました。19世紀の保養所の様子。華やかな世界です。



 飲む鉱水の蛇口がずらっと。ここには11番と12番の水があります。それぞれ冷水と常温水を飲めます。鉱水は、真水のように無味無臭ではなく、塩っぽい、金属っぽい風味が混ざっています。常温水の方が味が強まります。12番はまあまあ飲めますが、11番はしょっぱかった。


 尚、売店で使い捨てのコップを3ルーブルで売っています。空のペットボトルに水を汲んでいく人たちもいましたが、日本の湧き水のように何リットルも汲むのではなく、必要な分だけ少量です(そんなに飲めない)。細い吸い口のついた、鉱水を飲む陶器の専用コップを使う人も多いです。

 巨大なチェス盤が。保養所は実際に長期療養する人たちが滞在しているので、娯楽を楽しんでいるのでしょう。


 保養所の敷地は広く、湖が3つもあります。ここではミネラル豊富な泥を採取して、皮膚病や体の痛むところに塗布して炎症を抑えるのに使われています。ここでしか取れない組成の泥なのだそう。夏は滞在客も増えて、敷地内にある劇場もシーズンを迎えます。

 子供たちがトレーニングマシーンで遊んでいました。


近くをカモが歩き回っていたり、ご老人夫婦が散歩していたりと、とてものどかです。もう少し暖かくなって公園が緑になっていたら、もっと美しかったことでしょう。

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