ロシアの車両(一般には列車・編成そのもの)には、等級の他、細かなサーヴィスで差がつけられています。その辺りをきちんとチェックしてから予約(特にネット予約)したいものですが、なかなかその解説がないので、簡単ながら紹介したいと思います。
1、フィルメンヌィ列車と非フィルメンヌィ列車
まず、長距離列車はフィルメンヌィ列車Фирменныйと非フィルメンヌィ列車に二分されます。前者は高いサーヴィスを受けることが出来る列車で、車両は近代化されています。フィルメンヌィとは、直訳すれば「会社の」という意味です。ここで言う「会社」というのは、元々の(ソ連時代の)意味はよくわからないのですが、現在ではフィルメンヌィ列車は(ロシア)連邦旅客会社のチェック、承認を受けているらしいので、この会社の承認を受けた高級列車と理解しておけばいいでしょう。
他方で、非フィルメンンヌィ列車は、ソ連時代の古い車両を使っていることが多く、当然トイレを含めてボロいことが多いですね。
年配の方は、日本の国鉄客車のうち、近代化工事をうけた青色客車をフィルメンヌィ列車用客車、茶色を非フィルメンヌィ列車用客車と考えるとわかりやすいかもしれません(差はもっと激しいのですが)。
なお、経験上、フィルメンヌィ列車に臨時で増結車両が付く場合、非フィルメンヌィ車両が付くことがありますのでご注意を!(いや、注意したくてもなかなか出来ないのですが)
2、等級
これも一般論ですが、寝台系には4つのクラスがあります(三、二、一、特等)。座席車編は次回。
①三等寝台(プラツカルトПлацкарт)
二段式の開放寝台です。三段式と勘違いされている方も(web上で)いますが、三段目は荷物、毛布置き場です。通路側にも線路と平行に寝台が並んでいます。寝台の長さは2等よりも短め。開放寝台のため、プライバシーはほぼゼロですが、丸見えなだけに盗みが抑制される部分もあるので、好きな人も多いですね。トイレは前後2カ所のことが多い気がします。
三等寝台は更に、3Б、3Э、3Д、3Тなどに分かれます。
3Бはエアコン、バイオトイレあり。ペット可。
3Э(3П)はエアコン、バイオトイレあり、ペット不可。
3Тはエアコンあり。バイオトイレなし。ペット不可。
3Дはエアコンあり。バイオトイレなし。ペット可。
3Уはエアコンなし、バイオトイレなし。ペット可。
3Лはエアコンなし、バイオトイレなし。ペット不可。
②二等寝台(クペКупе)
扉付きの部屋がいくつも並び、その部屋ごとに寝台が上下二段×2配置されています。
二等寝台は更に、2Kなどに分かれます。
2Эはエアコン、バイオトイレ、軽食セット、新聞、マルチメディア装置、シーツあり。ペット可。
2Тはエアコン、バイオトイレ、軽食パック、新聞、マルチメディア装置、シーツあり。ペット不可。
2Бはエアコン、軽食セット、新聞、マルチメディア装置、シーツあり。バイオトイレ無し。ペット可。
2Kはエアコン、バイオトイレ、シーツあり。ペット可。
2Уはエアコン、シーツあり。バイオトイレなし、ペット可。
2Ф(2Ц)はエアコン、バイオトイレ、軽食セット、新聞、マルチメディア装置、シーツあり。ペット可。
2Хはエアコン、バイオトイレ、軽食セット、新聞、マルチメディア装置、シーツあり。ペット不可。
2Нはバイオトイレ、シーツあり。エアコンなし。ペット可。
2Лはシーツあり。エアコンなし、バイオトイレなし、ペット可。
2Дはシーツあり。エアコンなし、バイオトイレなし、ペット不可。
③一等寝台(СВ)
一等寝台は扉付きの部屋が並びますが、二等と異なり、下段のみの配置(各部屋定員二名)です。
一等寝台は更に、1Эなどに分かれます。
1Э(1Б)はエアコン、バイオトイレ、軽食セット、新聞、マルチメディア装置、お泊まりセット、シーツあり。ペット可。
1Тはエアコン、バイオトイレ、軽食セット、新聞、マルチメディア装置、お泊まりセット、シーツあり。ペット不可。
1Уはエアコン、バイオトイレ、シーツ付き。ペット可。
1Лはエアコン、バイオトイレ、シーツ付き。ペット不可。
1Дはエアコン、シーツ付き。バイオトイレ無し、ペット不可。
1Хはエアコン、バイオトイレ、マルチメディア装置、シーツ付き。ペット不可。
1Фはエアコン、バイオトイレ、マルチメディア装置、シーツ付き。ペット可。
④特等寝台(リュクスЛюкс)
車両により異なりますが、扉付きの部屋が並ぶ点では一等と同じですが、部屋の数が少なく、またバー付き車両もあります。
1А 4部屋プラス「バー」
1И 5部屋
1М 6部屋
サーヴィスとしては洗面台、テレビ、シャワー付きという点で、一等と区別されています。ペット同伴可。
***
サーヴィスによって値段が異なりますが、たまにそうでもないお買い得車両がある気がします。車両を選んで予約しよう!
(次回は座席車編)
1、フィルメンヌィ列車と非フィルメンヌィ列車
まず、長距離列車はフィルメンヌィ列車Фирменныйと非フィルメンヌィ列車に二分されます。前者は高いサーヴィスを受けることが出来る列車で、車両は近代化されています。フィルメンヌィとは、直訳すれば「会社の」という意味です。ここで言う「会社」というのは、元々の(ソ連時代の)意味はよくわからないのですが、現在ではフィルメンヌィ列車は(ロシア)連邦旅客会社のチェック、承認を受けているらしいので、この会社の承認を受けた高級列車と理解しておけばいいでしょう。
他方で、非フィルメンンヌィ列車は、ソ連時代の古い車両を使っていることが多く、当然トイレを含めてボロいことが多いですね。
年配の方は、日本の国鉄客車のうち、近代化工事をうけた青色客車をフィルメンヌィ列車用客車、茶色を非フィルメンヌィ列車用客車と考えるとわかりやすいかもしれません(差はもっと激しいのですが)。
なお、経験上、フィルメンヌィ列車に臨時で増結車両が付く場合、非フィルメンヌィ車両が付くことがありますのでご注意を!(いや、注意したくてもなかなか出来ないのですが)
2、等級
これも一般論ですが、寝台系には4つのクラスがあります(三、二、一、特等)。座席車編は次回。
①三等寝台(プラツカルトПлацкарт)
二段式の開放寝台です。三段式と勘違いされている方も(web上で)いますが、三段目は荷物、毛布置き場です。通路側にも線路と平行に寝台が並んでいます。寝台の長さは2等よりも短め。開放寝台のため、プライバシーはほぼゼロですが、丸見えなだけに盗みが抑制される部分もあるので、好きな人も多いですね。トイレは前後2カ所のことが多い気がします。
ロシア鉄道HPより |
三等寝台は更に、3Б、3Э、3Д、3Тなどに分かれます。
3Бはエアコン、バイオトイレあり。ペット可。
3Э(3П)はエアコン、バイオトイレあり、ペット不可。
3Тはエアコンあり。バイオトイレなし。ペット不可。
3Дはエアコンあり。バイオトイレなし。ペット可。
3Уはエアコンなし、バイオトイレなし。ペット可。
3Лはエアコンなし、バイオトイレなし。ペット不可。
②二等寝台(クペКупе)
扉付きの部屋がいくつも並び、その部屋ごとに寝台が上下二段×2配置されています。
ロシア鉄道HPより |
2Эはエアコン、バイオトイレ、軽食セット、新聞、マルチメディア装置、シーツあり。ペット可。
2Тはエアコン、バイオトイレ、軽食パック、新聞、マルチメディア装置、シーツあり。ペット不可。
2Бはエアコン、軽食セット、新聞、マルチメディア装置、シーツあり。バイオトイレ無し。ペット可。
2Kはエアコン、バイオトイレ、シーツあり。ペット可。
2Уはエアコン、シーツあり。バイオトイレなし、ペット可。
2Ф(2Ц)はエアコン、バイオトイレ、軽食セット、新聞、マルチメディア装置、シーツあり。ペット可。
2Хはエアコン、バイオトイレ、軽食セット、新聞、マルチメディア装置、シーツあり。ペット不可。
2Нはバイオトイレ、シーツあり。エアコンなし。ペット可。
2Лはシーツあり。エアコンなし、バイオトイレなし、ペット可。
2Дはシーツあり。エアコンなし、バイオトイレなし、ペット不可。
③一等寝台(СВ)
一等寝台は扉付きの部屋が並びますが、二等と異なり、下段のみの配置(各部屋定員二名)です。
一等寝台は更に、1Эなどに分かれます。
1Э(1Б)はエアコン、バイオトイレ、軽食セット、新聞、マルチメディア装置、お泊まりセット、シーツあり。ペット可。
1Тはエアコン、バイオトイレ、軽食セット、新聞、マルチメディア装置、お泊まりセット、シーツあり。ペット不可。
1Уはエアコン、バイオトイレ、シーツ付き。ペット可。
1Лはエアコン、バイオトイレ、シーツ付き。ペット不可。
1Дはエアコン、シーツ付き。バイオトイレ無し、ペット不可。
1Хはエアコン、バイオトイレ、マルチメディア装置、シーツ付き。ペット不可。
1Фはエアコン、バイオトイレ、マルチメディア装置、シーツ付き。ペット可。
④特等寝台(リュクスЛюкс)
車両により異なりますが、扉付きの部屋が並ぶ点では一等と同じですが、部屋の数が少なく、またバー付き車両もあります。
1А 4部屋プラス「バー」
1И 5部屋
1М 6部屋
サーヴィスとしては洗面台、テレビ、シャワー付きという点で、一等と区別されています。ペット同伴可。
***
サーヴィスによって値段が異なりますが、たまにそうでもないお買い得車両がある気がします。車両を選んで予約しよう!
(次回は座席車編)
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