今回は地下鉄からМЦД 2に乗り換えて、カザン駅まで行きます。
数年前に登場したМЦК(モスクワ中央環状線。下図の外側の円)もそうですが、МЦДの駅は既存の地下鉄の駅に必ずしも隣接しているわけではありません。地図を見ると、歩いて15分ほどかかる場合でも、乗換可能駅になっているようです。
しかし、この日はすでに夜。しかもマイナス7度です。暗く寒い中を、初めて行く駅を目指して15分も歩くのは避けたい。というわけで、地下鉄とМЦДの駅が隣接する場所で乗り換えてみることにします。
本日の出先近くにちょうどいい駅がありました。地下鉄トゥシンスカヤТушинская駅は、外に出るとすぐに近郊列車のトゥシノТушино駅があり、МЦДもここを通っています。
地下鉄トゥシンスカヤ駅で下車し、構内表示にしたがって地上に出ます。写真は地下鉄を降りたプラットフォームの表示。МЦД/D2の出口へ向かいます。
この駅は出口にも改札があります。人が通ると切符なしでオープンします。これで一端駅構内から出ることになります。
改札に続いてガラスの扉を出ると、また表示があります。それに従い歩きます。
出口前に地上の地図もあります。これでМЦДの駅の場所を確認。
ここトゥーシンスカヤには大きなバスターミナルもあるのですが、出てすぐの広場を突っ切るとМЦДの入り口があります。写真の明るくなっている屋根のあるところです。電気使いまくり。
駅舎に入ってすぐに地下鉄の入り口と同型の改札があります。スイカのようにチャージできるカード「トロイカ」でタッチして通過します。
写真は改札を通過した後に係員の背後からささっと撮ったもの。
ちょうど、モスクワ中心部へ向かう列車が来ました。車体のサイドには「МЦД」と書かれています。
車両は新型車両の「イヴォルガИволга」と古い近郊列車の2種類が使用されています。今回はたまたまイヴォルガに乗れました。広くて、今のところほとんど乗客もいませんでした。無料WiFiも快適につながります。最近の車両によくある、USBケーブルで充電できるプラグもありました。
イヴォルガは現在39本、古い近郊列車は99本運行しています。2020年の年末までに、改良型のイヴォルガが導入されるそうです。
この日の僕の最終目的地はカザン駅なので、МЦДだとカランチョフスカヤ駅が乗換地点になります。ゆえにこの駅で下車します。
むむ、降車時にも改札あり。ロシアでは、地下鉄やバスだと乗車時だけ切符をタッチして改札を通り、下車時はノーチェックなのですが、МЦДは下車時にも切符を改札にかざすシステムになっています。これはロシアの駅では珍しい。黄色い〇のところにタッチします。
(調べたところでは)出口でも切符を読み取るのは何のためかというと、МЦДはモスクワ郊外からモスクワ市内を経由し、またモスクワ郊外へと抜けるルートのため、さすがに従来の1乗り定額制ではなく、市内でのみの利用と郊外も利用する場合とで料金が異なるゾーン制を採用しています。そのため、乗車時には従来の1回乗車分の料金が引き落とされ、1回乗車分を上回る料金分乗車した場合、下車時に残りが引き落とされるとのこと。
今回乗車した、モスクワ市内の地下鉄駅からМЦДに乗り換えてモスクワ市内を移動した場合は、1乗り分の料金だけでOK。乗換は無料でした。
さて、カランチョフスカヤで下車し改札機を通ろうとしたときのこと、僕のトロイカ・カードをかざすと読み取りエラー表示が出ました。ですが、すんなり通してもらえました。ただ、係員から「カードを再コード化перекодироватьしないといけないので、地下鉄の駅でやってもらうように」と言われました。なんだろう?と思いながらも、時間があったので近くのコムソモリスカヤ駅の切符売り場に立ち寄りました。係員に申し出ると、トロイカ・カードを渡して1秒くらいで「どうぞ」と返してくれました。
この「再コード化」というのは、地下鉄・МЦКとМЦД間の乗り換えを無料にするためのものらしいです。新線開通に伴い、古いカードはそのままでは対応できないのです。この「再コード化」をやっていないカードで乗車すると、最初のうちは先ほどの僕のように注意されるだけですが、今後は切符がブロックされて、解除に150ルーブルかかるとか。ちなみに2019年11月20日以降に発行したトロイカだと、この作業は不要とのこと。
下車したカランチョフスカヤ駅は、地下鉄コムソモリスカヤ駅とその周辺のレニングラード駅、カザン駅、ヤロスラヴリ駅に簡単にアクセスできます。これらの駅はどれも通勤時間はすさまじく混雑するので、カランチョフスカヤ駅で乗り継ぐのは混雑解消の点では賢明かもしれません。МЦДによって地下鉄の混雑が10~12%緩和されると試算されています。
行先によってはかなり接続がよくなるので、活用したい!